リファラル採用はZ世代にもマッチした採用手法である──人事と現場が協力して会社の採用力を高めるアドヴィックスのリファラル採用

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株式会社アドヴィックス

自動車用ブレーキシステムおよびそのシステムを構成する部品の開発・生産・販売を手がける株式会社アドヴィックス様。アイシン、デンソー、住友電工、トヨタ自動車の合弁会社として2001年に誕生しました。今や世界トップクラスのブレーキシステムサプライヤーとしての地位を確立し、2021年には創立20周年の節目を迎えました。現在、自動車の自動化・電動化の流れが業界に押し寄せており、新たな人材の獲得が急務となっています。
同社では、MyReferのサポートを受けてリファラル採用の制度を構築し、人事と現場で協力して会社としての採用力を高め、現場のニーズをより反映した人材を見つける取り組みを推進。その過程で、「リファラル採用はZ世代にマッチした採用手法である」という発見があったと言います。今回、人事部の松永氏と岡崎氏にリファラル採用の取り組みの施策や今後の展望などをお伺いしました。

株式会社アドヴィックスロゴ
株式会社アドヴィックス
従業員数: 単独4,238名(2021年3月末時点)
事業概要:

自動車用ブレーキシステムおよびそのシステムを構成する部品の開発・生産・販売

人事部 人材開発室 松永 栄樹 氏
人事部 人材開発室 岡崎 亜弥 氏

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リファラル採用導入・運用事例
『メーカー・商社編』

現場と人事が協力して会社の採用力を高め、より的確な人材の発掘を目指す

株式会社アドヴィックス

まず現在採用強化されている中途採用の目標と採用方針をお聞かせください。

岡崎氏:
2021年度は38名の採用を目標としています。自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えており、自動化・電動化の波が押し寄せています。アドヴィックスも、単なるブレーキメーカーではなく、車全体の運動をコントロールする会社となり、より移動の快適さ・便利さを追求していきます。これに伴い、さらにソフトウェア領域の採用も強化したい考えもあり、採用人数は年々増えています。

松永氏:
過去の変遷からお話すると、自動車部品大手・アイシングループの一員であるアドヴィックスはアイシンをはじめ、デンソー、住友電工、トヨタ自動車の合弁会社として2001年に設立し、当初はこの4社の技術者で構成されていました。その後、2008年から新卒採用を始めたのですが、40~50代の層に人材の谷間ができてしまったんですね。その頃、中途採用を行っていた目的は、この層を埋めるためでした。一方、自動車の自動化・電動化の流れを考慮すると、世間に広く目を向けて、良い人材がいれば積極的に採用しなければならないような状況になっています。このため、2018年から中途採用を本格的に開始しました。

中途採用を本格化させるにあたり、どのような採用手法を取られていましたか。また、その中で感じていた課題を教えてください。

岡崎氏:
2020年度まではエージェントを主軸に、プラスで媒体を活用していました。2020年度の実績を分析した結果、コロナ禍の影響もあり、応募者の質が大きく変化し、アドヴィックスの求める人材を見つけることが難しくなっていました。

そのなかで、リファラル採用を導入した理由をお聞かせください。

岡崎氏:
より的確な人材を採用するためには、転職顕在層だけではなく、転職潜在層の発掘も必要だと考えました。そのためには、現場のスタッフの協力が不可欠です。技術を語るにしても、職場を語るにしても、人事だけでは語りきれない部分はあります。現場を巻き込みながら、リアルな情報を伝えることができる採用手法として挙がったのが、リファラル採用でした。

松永氏:
中途採用のニーズをヒアリングする中で、「採用=人事部の仕事」という認識があまりに強くなってしまっていると感じました。もちろん、採用は人事部の主要な業務の一つで、全体の指揮を執る必要はあります。しかし、良い人材を求めているのは現場も同じです。現場と人事部が協力できれば、会社の採用力が強化され、その結果として、現場のニーズをよりよく反映した人材を見つけることができると考えました。そうした観点からも、リファラル採用はアドヴィックスのニーズに合致した採用手法でした。

MyReferの導入は、制度作りのサポートと同業種での実績が決め手

株式会社アドヴィックス本社

リファラル採用は一部で行っていたと伺いましたが、その際の課題を教えてください。

岡崎氏:
期間従業員ではリファラル採用の制度自体はありましたが、制度を知らない人の方が多かったです。また、ツールを活用していなかったので、手書きで申請書を作成してもらっていました。その手間やハードルがあって、制度を利用していない人が多かったです。

リファラル採用を本格導入するにあたり、MyReferを選んでいただいた理由を教えてください。

岡崎氏:
単にツールを導入するだけにとどまらず、制度設計までしっかりとしたサポートがあった点が大きいです。リファラル採用の制度自体はありましたが、適切な運用がされていませんでした。そのため、改めて制度を作り直す必要がありました。反面、私たちには十分な知見はなかったので、MyReferさんのサポートは大変ありがたく、魅力的でした。また、アドヴィックスと同じ製造業の導入実績が多くあったため、安心して導入できました。

MyReferやリファラル採用を浸透されるために、どのような取り組みを行いましたか。

岡崎氏:
中途採用を本格的に始めた2018年から現在までに、現場ニーズに合致した人材をタイムリーに提供した実績もあり、各部署と良好な関係が築けています。現場の部長・マネージャー陣は人事部の活動に理解を示しており、とても協力的です。おそらく何の土台もなくいきなりリファラル採用を始めますと言っても、協力は得られなかったでしょう。ベースにしっかりとした信頼関係があったので非常にスムーズに進められました。

現場との連携のベースづくりで意識されているポイントはありますか。

松永氏:
普段のコミュニケーションではないでしょうか。私たちは現場に何回も足を運んでいます。人事部の動きや考えが見えないと、現場は不安になるものです。採用できないのは、人事がしっかりと仕事をしていないからではないかと疑心暗鬼も生じます。そうした事態を防ぐために日ごろからコミュニケーションを取り、「今の市場感では採用はとても難しく、新しい手法を取り入れなければならない。それはこういったやり方で、皆さんの協力が必要だ。」などと現状を伝えています。

岡崎氏:
人事側が現状をに伝えることで、現場が採用について見直すきっかけにもなります。例えば、求人票の作成は各部署にお願いしていますが、作成するなかで、条件をあまりにも厳しくしていたと気づくこともあるようです。そうすると、「ここまでは条件を広げて大丈夫だ」と伝えてくれたりするので、人事としてもより深く現場の意見を知り、柔軟な対応が可能になります。

松永氏:
コミュニケーションに加えて、現場を知る者が人事部にいることは、現場を巻き込みながら採用活動を進める上で一つのポイントだと思います。私は技術出身で3年前に人事部に異動し、岡崎も工場での勤務経験があります。

岡崎氏:
工場で勤務した経験から、どのようなルートで情報展開を周知徹底できるかという知見を活かして、取り組みに協力的な人や工場や部署内で発信力のある人を把握して、巻き込んでいくことは重要です。

リファラル採用は、Z世代にもマッチした採用手法

MyRefer導入後のリファラル採用の成果を教えてください。

岡崎氏:
圧倒的に認知度が高まり、従来紹介数の5~6倍になりました。現在までに既に20件を超える応募をいただいております。

松永氏:
これまでアナログだったリファラル採用にシステムを導入し、MyReferさんの支援を受けながら、インセンティブなども含めて制度を刷新しました。その上で、まずは期間従業員向けに試験運用しました。その結果、すぐに複数名の採用につながるなど当初の予想をはるかに上回り、キャリア採用にも導入されることが決まりました。

紹介の経緯などで、印象に残るエピソードはありますか。

岡崎氏:
インターネットで知り合った友達にインターネットでアドヴィックスのことを紹介する事例がありました。紹介者も被紹介者も20代前半で、オンラインで会話をしていて転職活動の話題になり、アドヴィックスの求人URLを送ったそうです。被紹介者は関東在住で愛知県とは縁もゆかりもないのですが、アドヴィックスのことをネットで調べ、応募いただきました。これまでにないまったく新しいパターンで、私たちも少々驚いています。

デジタルネイティブのZ世代らしいエピソードです。

松永氏:
Z世代にはリファラル採用は非常に有効なのではないでしょうか。アプリをダウンロードするのも、URLを送るのにも抵抗がありません。企業や求人内容を調べるのも基本的にはネットを使います。オンライン上で完結できる点は、Z世代の資質や特質と合っているような気がします。とても大きな学びがありました。

人材の適材適所の活躍が日本経済の活性化につながる

株式会社アドヴィックス本社2

リファラル採用の今後の展望を教えてください。

岡崎氏:
今は求人票のリリース数を増やしながら、社内でのリファラル採用の認知をさらに広めている段階です。1月以降は全社展開を目指して、制度をより充実させる予定となっています。何よりまずは登録者数を増やしたいですね。その後の展開の仕方は今さまざまに思案しています。おかげさまで、タレントプールも徐々に構築されています。「良い人がいるから紹介したいが、今は合う求人がない。名前と連絡先を伝える許可は取っているので、求人が出た段階で連絡してほしい」という相談を受けることもあり、何か良い施策が打てないかと考えています。社内認知が高まり、こうした紹介が増えてきたらイベントを行うのも良いかもしれません。リファラル採用を社内での当たり前にしていければと思っています。

松永氏:
少々大きな話かもしれませんが、人材に関わる私たちとしては、日本のものづくりをもっと強くしたいという思いもあります。自動車業界だけのことではありません。良い人材が適材適所で自身の能力を存分に発揮することが、製造業全体の生産性の向上につながります。ひいては日本の経済をもっと豊かに強くすることでしょう。こうした大志というべきものを常に持ちながら、アドヴィックスの採用力強化を目指しています。また、昨今至る所でDXの必要性が説かれています。実際、良いツールの導入は仕事の質の向上につながります。人事領域でもテクノロジーを積極的に活用する必要があるはずで、こうした中、MyReferさんとの出会いがあったのは、アドヴィックスにとって非常に幸運でした。おかげさまで、人事のDX化が進んでいます。今後は、さらに積極的に良いツールを使いながら、新卒を含めて採用を強化していきたいですね。

編集後記

現場と人事が一体となり、採用強化を推進するアドヴィックス様の事例をお送りしました。実際に人材の受け入れを行う現場とコミュニケーションを密接に取っていることが、採用力の強化やリファラル採用のスムーズな導入につながっています。また、リファラル採用はZ世代にもマッチした採用手法だという発見もありました。導入に際しては、MyReferのサポートが決め手の一つになったとのことです。MyReferはツールの導入に関してはもちろんのこと、制度設計など導入前後のサポートも万全の体制で行っています。潜在層の人材発掘やリファラル採用の制度の設計に課題を抱えている企業様は、ぜひMyReferにお問い合せください。

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