技術系人財サービス国内大手のModisが取り組むリファラル採用と人財に対する想い──エンジニア採用にリファラルが効果的な理由

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Modis株式会社

世界60の国と地域で事業を展開する人財サービスのグローバルリーダー、アデコグループ。日本法人であるアデコ株式会社のエンジニア派遣事業部部門と、株式会社VSNの合併により、2022年1月1日にModis株式会社様が誕生しました。国内トップクラスのエンジニア派遣・請負およびコンサルティング事業者として、独自のサービスである「バリューチェーン・イノベーター」を提供。エンジニアリングとコンサルティングを提供し、お客様企業のデジタルトランスフォーメーションとイノベーションを促進しています。

約8,400名のエンジニアやコンサルタントが所属する同社。エンジニアの幅広いキャリアの選択肢と育成プログラムを提供し、一人ひとりのライフキャリアビジョンの実現に注力していることも大きな特徴です。リファラル採用では、旧VSN時代に年間30名ほどが入社しており、今後はリファラル採用のさらなる強化に取り組んでいます。

新たにスタートしたModis株式会社様の人財育成やキャリア構築、そしてリファラル採用について、常務執行役員 人事本部 本部長 元吉 弘尚氏にお話しを伺いました。

Modis株式会社ロゴ
Modis株式会社
従業員数: 9,000名(※すべての雇用形態の従業員の合計)
事業概要:

IT・情報システム、メカトロニクス・エレクトロニクス、ケミストリー分野におけるエンジニア派遣事業、開発請負、コンサルティング事業、教育事業および有料職業紹介事業

常務執行役員 人事本部 本部長 元吉 弘尚 氏

その他企業様の導入事例をまとめています!
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リファラル採用導入・運用事例
『IT・SI 業界編』

技術系人財サービスとして、国内トップクラスのModis。マーケットや社会に対するインパクトを最大化し、社会を本気で変革していく

Modis株式会社インタビューの様子1

2022年1月、株式会社VSNとアデコ株式会社のエンジニア派遣事業部門が統合し、Modis株式会社としてスタートされました。まず、統合の背景と目的を教えてください。

元吉氏:
アデコグループでは、グローバルで3つのブランドを柱として戦略的に事業を展開しています。そのうちの一つがModisです。日本においてはIT、R&D領域のエンジニア派遣、請負およびコンサルティング事業、そして教育事業を強化し、質量ともに高いサービスを提供することによって、日本でのDXを推進し、スマートインダストリーを発展させたいと思っています。今回の統合により、当社は約8,400名のエンジニアおよびコンサルタントを擁することになりました。エンジニア、コンサルタントにとってもより多くの教育・研修やより良質なプロジェクトで働いていただけるようになります。

国内トップクラスの規模かと思いますが、採用計画についてはいかがでしょうか。

元吉氏:
2022年は新卒と、未経験者を含む中途採用で、約1600人の採用を計画しています。そのうち中途採用が1400人強と、大半を占めます。

かなり大規模の採用に踏み切っている背景をお聞かせください。

元吉氏:
アデコグループではパーパスとして「Making the future work for everyone」を、アデコグループジャパンは、『「人財躍動化」を通じて、社会を変える。』というビジョンを掲げています。

労働人口の減少が社会課題となっている日本ですが、特にIT人財の不足は深刻です。今後70万人以上のエンジニアが不足すると言われています。このような中で、働く人たちが心の底から仕事を楽しみ、イキイキと飛び跳ねるように活躍できる社会を創ることを私たちは目指しているのです。それを本気で成し遂げようとするならば、一定以上の規模をもって、マーケットや社会に対するインパクトを最大化する必要があります。

そして、会社の規模が大きくなれば、従業員に対して提供できるベネフィットも拡大します。とりあえず人をかき集めて、たくさん派遣して儲かればいいと考えているわけではありません。私たちが本気で目指す姿、実現したい世界を追求していけば、当然大きな規模にならなければいけないということです。

大きなビジョンを掲げる貴社において、求める人財はどのような人物なのでしょうか。

元吉氏:
成長意欲と協調性があり、継続的に努力ができる方と一緒に、サービスを磨き上げていきたいと考えています。そのような人財であれば、現時点で特別何かに秀でてなくても、当社の環境をうまく利用してより良いキャリアを築くことができるでしょうし、より良いサービスをお客さまに提供していけるはずです。

企業理念やビジョンや社風に対する共感度・マッチング度が高いリファラル採用

Modis株式会社インタビューの様子2

大規模採用に踏み切る中、社員とともにリファラル採用に注力していくそうですね。

元吉氏:
旧VSNでは、年間30人以上がリファラルで入社していました。比較的エンジニア同士でよく紹介してくれる風土があると思います。Modis株式会社としても、毎年100人ほどリファラルで採用したいと考えています。

リファラル採用を強化する方針とのことですが、他の採用手法と比較してどのようなことを期待していますか?

元吉氏:
やはり類は友を呼ぶといいますから、当社の仲間として活躍している社員の紹介ならば、良い人が来るに違いないと期待しています。そして、あらかじめ当社の社員を通じてさまざまな情報を聞いた上で応募してくださる方がほとんどですから、企業理念やビジョン、社風に対する共感度・マッチング度が高いですね。

2030年にIT人財の不足が最大で79万人不足するという経済産業省のデータがあります。そのような背景のなか、経験者の転職顕在層は不足しているため、転職潜在層へのアプローチが必要です。また、当社は未経験者も積極的に採用しています。未経験者となると、現時点でのスキルというよりは、人柄や伸びしろを特に重視することになります。その点、社員がその人の人物像をしっかりと分かった上で紹介するリファラル採用は、未経験者採用とも相性が良いと思います。

リファラル採用をするためには、育成環境がカギになると思います。貴社の人財育成や制度についても、ぜひお聞かせください。

元吉氏:
旧VSN次代から数千名の未経験エンジニアを育成した実績があり、人財育成の環境や制度については、本当に自信があります。未経験からスタートして、指折りのスペシャリストとして活躍するエンジニアもいれば、事業部長として活躍している社員もいるなど、描けるキャリアも豊富です。

大きな特徴としては、社内に専門のトレーニング部門があることです。外部講師やプログラムを取り入れるのではなく、実際に現場で活躍してきた社員が、実践的なプログラムを企画し、毎年ブラッシュアップしながら提供しています。そして、実機に触って手を動かす環境も充実しています。リモート環境においても、研修期間中に1人1台パソコンを支給しており、集合研修と遜色ないレベルの研修を提供できます。

現場を経験した社員の方がトレーナーということで、手厚い研修ができそうですね。

元吉氏:
しっかりと勘どころを押えた研修ができますし、未経験者の気持ちが分かりますから非常に面倒見がいいです。未経験での入社ですから、なかには研修中ついていけなくなることもありますが、簡単に見捨てるようなことはしません。講師も手厚くフォローしますし、仲間同士で教え合ってトレーニングをしていますから、未経験からエンジニアを目指すのなら、当社が一番だと自負しています。

その後のキャリアパスについてはいかがでしょうか。

元吉氏:
未経験の方でも、しっかりとキャリアパスを歩めるように、配属プロジェクトは厳選しております。専任のキャリアプランナーがプロジェクトを判断し、配属を決定します。本人のキャリアにとって、ためにならないと判断すれば配属しません。配属プロジェクトで学ぶことが少なくなってきたら、お客さまにお願いして契約を終了させていただき、そして次のよりレベルの高いプロジェクトに配属する「計画シフト」という仕組みがあります。

配属に関しては、単純なスキルセットのマッチングではなく、ビジョンマッチングを目指しています。働く人のライフキャリアビジョンと、配属先の会社のビジョンがマッチしていれば、より楽しくイキイキと働くことができ、パフォーマンスも向上するはずです。それが人財躍動化につながると考えています。

共感とインスパイアの循環で企業理念が自分ごと化され、内発的な動機付けになる

Modis株式会社インタビューの様子3

採用でも育成でもビジョンマッチングを重視していると思いますが、実際に社員の人はビジョンをどう捉えているのでしょうか?

元吉氏:
Modisでは、企業理念として「人財の創造と輩出を通じて、人と社会の幸せと可能性の最大化を追求する。」を掲げています。多くの優秀な人財を育成し、その人財が活躍することを通じて世の中を幸せにし、ポテンシャルを最大限に発揮させたいという想いが、全社に浸透していると思います。

先日、幹部候補生向けの研修を務めた講師の方から、「世の中の多くの企業では、管理職であっても自社の企業理念を言えたり、それに基づいて考えたりすることができません。しかし、Modisでは全員が企業理念を語り、企業理念に基づいて考えることができます。これはかなり稀有なことですね」と言っていただきました。また、別の講師の方にも「Modisはビジョンや理念がしっかりと腹落ちしていて、自分ごと化されていますね。それを内発的な動機付けとして動く社員が多く、こういう会社は見たことがありません」という言葉もいただきました。本当に嬉しく思いましたし、社員を誇りに思った瞬間ですね。

私自身、転職してこの会社に入ったのですが、社員同士の会話の中で「仲間」「成長」という言葉が頻出することに驚きました。自らがビジョンを自分ごとにすることはもちろん、同じ価値観を持つ仲間も大切にしているんですよね。これは旧VSNだけではなく、今回統合をしたアデコのModis事業部も、同じような価値観を持つ組織ですから、統合しても変わらず、より発展していけると確信しています。

エンジニア派遣においては、「仲間」としての社員のつながりは希薄になりがちという声も聞きます。社員が「仲間」や「成長」を大事にして、切磋琢磨できる環境をどのように作っていますか?

元吉氏:
特定の施策が奏功したというより、これまで積み重ねてきた文化のなせる業だと思います。仕組みというと、ルールやプロセスを決めてその通りに実行するものですが、文化というのはルールや仕組みがなくとも自然に考え行動するものです。成長を求める、仲間を大切にする、真面目に一生懸命取り組む、そういった価値観を大切にするリーダーがいて、そこに共感する仲間がいて、さらにインスパイアされる人がいて、という好循環が、今に至るまでずっと続いているのでしょう。

一人ひとりのライフキャリアビジョンを実現するためのプラットフォームを目指す

Modis株式会社インタビューの様子4

Modis株式会社としてどのような組織を目指すのか、リファラル採用も含め、今後の展望を教えてください。

元吉氏:
より多様な人財が、それぞれのライフキャリアビジョンを実現するためのプラットフォームとして機能する会社、さらにそれを支える人事を目指しています。実は意外と、自分のライフキャリアビジョンを明確にすることは難しいですよね。しかも、ライフキャリアビジョンはどんどん変わっていくものです。そのためキャリア教育にも力を入れ、社内にキャリアカウンセリングのスキルを持つ社員をどんどん増やし、一人ひとりが自分のライフキャリアビジョンをより明確にできる取り組みをしていきます。

その次には、Modis株式会社の内部組織のビジョンを明確にし、お客さまのビジョンをより詳細にヒアリングして、ビジョンマッチングの精度を高めていきたいです。これはかなり大きな取り組みとなるでしょう。そして制度としては、自らのキャリアや働き方を自分で選択できるような大きい制度をつくりたいと考えています。

リファラル採用については、もっともっと「この会社に友人・知人を紹介したい」と思ってもらえるような会社にならないといけないと思います。まだ制度も浸透しきっていないので、リファラル採用制度について、より多くの従業員に知ってもらう取り組みをしたいですね。

最後に、社員の方に向けてメッセージをお願いします。

元吉氏:
約9000名という大きな組織になりましたが、社員同士が協力し合い、より良いビジネスや、より良い社員のキャリアを創る会社を本気で目指していくことは変わりません。ここまでこの会社を創ってきたみなさんと一緒であれば、必ず成し遂げられると信じていますし、私たちは誰よりもみなさんのポテンシャルを信じています。自分と仲間を信じて、どこにもない素晴らしい会社を一緒に創りましょう。

リファラル採用についても、社員のみなさんが推薦してくださる方は、本当にいい方ばかりです。採用要件などの問題があり、残念ながらすべての方に入社いただくことはできませんが、他の採用手法よりも合格率は圧倒的に高いですし、活躍してくれる方も多いです。ですから、あまり堅苦しく考えず、ぜひ紹介していただきたいと思います。

編集後記

「人財躍動化」を掲げるアデコグループにて、社会に価値を提供できる人財の採用と育成に取り組むModis株式会社様の事例をお届けしました。ビジョンマッチを重視した採用や、一人ひとりのライフキャリアビジョンを尊重した育成・配属の取り組みを丁寧に進め、まずは社内から「人財躍動化」の実現を目指す様子が伝わるインタビューでした。ビジョンにマッチした人財を採用していくには、社員からの紹介であるリファラル採用が有効です。自社に合った人材を見極めていきたいという企業様は、お気軽にMyReferへお声がけください。

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