
企業と就活生がお互いに理解する場として、新卒採用では年々インターンシップの重要性が高まっています。今年は合同説明会や面接が開催できず、早期に接点をもつ必要性を感じる企業も多かったのではないでしょうか。
今回は、21新卒採用において8名内定承諾となり、22卒向けのインターンシップに早期に取り組みを進めるエスネットワークスの松田氏と堀氏にお話を伺いました。22卒ではオンラインとオフラインを組み合わせたインターンシップを行っているとのこと。どうやってインターンシップを活用していくのか、そしてリファラル採用がどんな価値を生むのかをご紹介します。

株式会社エスネットワークス | |
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グローバルヒト本部 人財グループ 松田 祥吾氏 グローバルヒト本部 人財グループ 堀 裕佳氏 |
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従業員数: | 261名 (2020年7月1日現在) |
事業概要: |
コンサルティング事業 |
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積極的にオンラインでのコミュニケーションを。21卒採用は8名の内定承諾
2020年7月末現在、21卒の新卒採用の状況について教えてください。
松田氏:
主に2019年夏期インターンシップからの選考を通じて8名の内定承諾となりました。21卒新卒採用は一区切りつきましたが、当社と親和性の高い方とは引き続き接点を持っていく予定です。
新型コロナウイルスによって、21卒新卒採用において何か変化はありましたか?
松田氏:
夏期インターンシップで母集団は集まっていたので、採用手法の変化まではありません。ただ3月以降の面接や内定を出したあとのコミュニケーションが全てオンラインに変わりました。オンラインではより気軽にコミュニケーションが取れて、コミュニケーションの“量”はむしろ増えたと思います。
4月~6月は学生もオンライン授業で家にいて、当社もずっと在宅勤務だったので日程調整がスムーズでした。当社まで足を運んでいただく必要がないので、お互いに気軽に、頻繁に話せたと思います。一方でコミュニケーションの“質”の部分でいうと、参加者の方に私たちの熱意を伝えたり、魅力を伝えたりすることはオフラインには敵わないところがあったかもしれません。
コミュニケーションの量は増えていたのですね。具体的にどのようなお話をされていたのですか?
松田氏:
他社選考の状況を含めて就職活動のリアルな状況を聞いていました。コミュニケーションは回数を重ねればいいわけではなく、意思決定の大事なタイミングで話すことが必要ですよね。他の企業でどのような状況でどういった“決め手”で選ぶのかを理解して、それに対して情報を提供することが求められます。
最終的にどのような“決め手”で入社される方が多いのですか?
松田氏:
一番多いのは、キャリアゴールとの整合性です。私たちはCFOとしての経営者、またはCFO領域での専門家を目指すことをゴールにおいているので、そのゴールへの志向性があって、さらに就職先を選ぶ決め手として優先順位が高い人に選ばれます。例えば、給料やネームバリューよりも、キャリアゴールを重視するといった方です。
エスネットワークス様ではリファラル採用に取り組んでいますが、その成果はいかがでしたか?
松田氏:
当社では、プロフェッショナルな人材を採用するため中途採用でリファラル採用に取り組みはじめました。なかでも若い世代との相性がよかったので、新卒採用にも取り入れています。
20卒内定者10名と一緒にリファラル採用の活動をした結果、そのなかから内定承諾者も出ました。夏期インターンシップに紹介してくれたことがきっかけになりました。内定者時代から一緒に採用活動に取り組むことで、会社への理解が深まる機会にもなったのではないかと感じます。
21卒内定者のフォローを続け、仕事へのモチベーションを高めてもらう
21卒内定者は、不況やオンライン化もあって内定に不安がある方も多いと聞いています。どのようにフォローしていきますか?
松田氏:
ちょうど先日内定者懇親会を開催しました。今後は内定者1人に対して先輩社員1人がチューターとしてフォローします。隔週くらいでお互いにコミュニケーションをとったり、外出自粛がなければ会社の懇親会費で定期的にご飯に行ったりしていますね。
また、フォローとは別ですが、今年からは「簿記二級」を必ず取得することを課題としています。入社のスタートダッシュまで、モチベーションも知識も高めていくサポートをしたいと考えています。
21卒内定者とも、リファラル採用に一緒に取り組んでいきますか?
堀氏:
20卒の内定者との活動と同じように、21卒の内定者にもMyReferを活用してもらう予定です。リファラル採用に参加してもらうことだけではなく、21卒の内定者に社内ニュースでより会社の理解を深めてもらうことも意識して活用していきます。
22卒インターンシップはオンラインとオフラインの組み合わせ
次に、22卒新卒採用の計画について教えてください。
松田氏:
22卒新卒採用の計画は特段変えていません。例年通り10名程度の採用目標です。夏期インターンシップと第1タームの早期選考を行い、その後冬期インターンシップで第2タームの選考を行う予定です。
今年の夏期3daysインターンシップについては6月から始めていて、すでに6回実施しました。
インターンシップではCFOのコンサルティング業務を通じて、参加者の方がキャリアとしてCFOを考えるきっかけを作ります。当社のコンサルティングは決して“机上の空論”では終わらないので、お客様と向き合って経営に直結する施策を実行するところまで体感してもらう内容を用意しています。
インターンシップにはどうやって集客していますか?
松田氏:
まずはナビ媒体を使っています。主に、コンサル志望の就活生がみる「外資就活ドットコム」、「Goodfind」、「ONE CAREER」が入り口になります。あわせて、社員や内定者にMyReferを活用して紹介してもらっています。
ただそれだけでなく、実際のアンケートをみると、友人から「エスネットワークスのインターンシップいいよ」と話を聞いたから参加したという声もありました。友人や先輩のクチコミが、インターンシップ参加へのきっかけになっていることもあるようです。
オンラインとオフラインはどのようにすみ分けていきますか?
松田氏:
夏期インターンシップは3daysでCFOの仕事を体感できるワークを用意しています。
状況次第ではありますが、今は「インターンシップ参加に向けた説明選考会」をオンラインで、「インターンシップ本番」はオフラインで実施しています。(※)
オンラインでの説明選考会は、入り口としてたくさんの方に集まっていただけたので効果的でした。就活生側も気軽に参加でき、当社としてもオフライン開催の場合は会場の都合により人数に制約がありますが、オンラインだと1回の開催で100名くらいの方とお話ができます。
オンラインでの説明選考会の様子
気軽に多くの方に参加していただけてありがたい反面、あくまで「選考会」であるため、インターンシップ参加については当社から出す課題について合格を勝ち取っていただくことが必要になります。
そしてインターンシップ本番は質の高いグループワークを実現するために、感染対策をしながらオフラインで実施しています。また、オンラインではグループごとに社員が必要になりますが、オフラインでは1人で複数グループをフォローしながら満足度の高いインターンシップを実現できます。
※現在は、昨今の新型コロナウイルスの感染者数の増加を鑑みて、インターンシップ本番もオンラインでの開催を行っております。(2020年9月3日)
<実際に参加した方のコメント>
- ワークを通じて業務プロセスを具体的に理解する事ができた。そして、より実践に近い形で必要なスキルを理解する事ができた。
- 本当に多くの学びがあった。知識面だけではなく、実務面においても普段普通に生活しているだけでは経験できないようなことに3日間で集中的に取り組むことができ、もう一度参加したいくらい楽しかった。
- ビジネス、特に財務に関する知識を実際の案件を通しながら、実践的に学ぶことができたから。また、視座の高い学生との交流を通して、就活に限らずこれからの生き方に高いモチベーションを得ることができた。
インターンシップ後はどのように選考に進んでいくのですか?
松田氏:
インターンシップに参加してくれた方のなかでも、優秀な方については一次面接をスキップできるフローにしています。当社では優秀な方について「会計の知識」、「経営ヘの関心」、「地頭力」の3つのポイントを主に確認して見極めています。
ただ、夏期のタイミングでは志望が固まっていない方も多いので、まずは参加した方々にCFOのコンサルティングについて興味をもってもらい、選考に進んでもらうことが重要だと考えています。
実は先輩・同期のクチコミから情報がまわっている。最大限活用したい
22卒の新卒採用において、リファラル採用はどのように活用していきたいですか?
松田氏:
先ほどもお話したように、ナビ媒体からのインターンシップ応募でも、実は友人の紹介がきっかけになっているケースが多くあります。先輩や同期からのクチコミが信頼のできる情報としてまわっているからこそ、それを最大限に活用していきたいと思います。
将来的には、ナビ媒体に出さなくてもクチコミや人づてでMyReferを使ってエントリーをしてくれることが理想です。費用対効果の最適化を図りつつ、優秀な方を採用するために模索していきたいですね。まずは21卒内定者や22卒の参加した方からクチコミが広がるようにインターンシップの質を高め、地道に声掛けをしていきたいと思います。
編集後記
オンラインとオフラインに揺れる新卒採用。今回は、21新卒採用において8名内定承諾を出し、22卒インターンシップへ早期に取り組みを進めるエスネットワークス様にお話を伺いました。
エスネットワークス様では、インターンシップからの選考やコミュニケーションを活用した採用について伺うことができました。合同説明会などで出会う機会が減っている今、クチコミを活用して、企業と就活生と双方にとってよりよい就活の形を支援してまいります。
▼新卒リファラル採用の事例集はこちら
https://mytalent.jp/lab/resource_30/
▼複数社の内定承諾や意思決定時期に関する21卒就活生の実態調査レポート
https://i-myrefer.jp/media/resource/resource_38/