30%成長を目指し、300名を採用!ラクスのリファラル採用促進のカギを握るオンボーディング体制「一人前育成プログラム」とは?

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中小企業に対して様々なITサービスを提供することで生産性を改善・向上し、事業成長や働く人の幸せに貢献することをミッションとする、株式会社ラクス様。「楽楽精算」、「楽楽明細」などのクラウドサービスは順調に導入社数を増やしており、創業から21期増収を続けています。

今後もハイペースで成長することを掲げるラクス様では、年間300名の採用を続け、リファラル採用に取り組んでいます。未経験層の採用も進める中で課題になったのが、入社した社員のオンボーディングでした。教育担当の負荷や、新入社員のスキルのばらつきに対応すべく、生み出されたオンボーディング施策、「一人前育成プログラム」について、話を伺いました。

株式会社ラクスロゴ
株式会社ラクス
従業員数: 連結:1,356名 単体:769名(2021年4月1日現在)
事業概要:

「楽楽精算」、「楽楽明細」等、企業の成長をサポートするクラウドサービス

クラウド事業本部 事業管理部 山本真理乃氏(左から2番目)
経営管理本部 総務人事部 採用課 河内 真愛氏(右から2番目)
経営管理本部 総務人事部 採用課 篠田 未来氏(左)
経営管理本部 総務人事部 採用課 吉田 圭佑氏(右)

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リファラル採用導入・運用事例
『Net・広告編』

今年は300人、来年は500人の採用。充実の“研修制度”で、飛躍を目指す!

インタビューの様子1

まずは、採用方針についてお聞かせください。ラクス様は急成長されていますが、どのような採用目標を掲げているのでしょうか。

吉田氏:
当社は、日本を代表する企業となることを掲げ、30%成長という大きな目標に向けて走っています。それに伴い、今年は300人、来年は500人を目指して積極採用中です。営業、企画、エンジニア、カスタマーサクセスなどあらゆる職種で人材を募集していますが、高い目標を達成するためにも、どの職種においても成長意欲が高く、自律・自走できるタイプの方を求めています。

積極採用をする中で、リファラル採用に取り組まれている背景を教えてください。

篠田氏:
採用数増加にあたって外部に頼るだけでなく「自社採用力」を強化するべく、リファラル採用に取り組んでいます。当社はB2Bのビジネスモデルのため転職を考える方にとってなじみが薄いこともありますが、社員がリアルな情報を伝えることで自社採用力を高めています。

ラクス様では、 リファラル採用に97%もの社員の方々が参加し、4割の方が紹介活動をしていますね。リファラル採用経由だとオンボーディングのしやすさがあると思いますが、中でも入社後の「成長環境」をおすすめしている方が多いようです。

篠田氏:
年間300人も入社するからこそ、オンボーディングの研修制度をしっかりと整えています。せっかくリファラル採用の仕組みを整えていても、入社後に活躍できるかどうか分からなければ、紹介する社員も、その友人の方も不安ですよね。だからこそ、ちゃんと成長できる環境を用意することが大切だと考えています。実際に、中途入社の社員からも、「ここまで整っているとは思わなかった」という声が多いですね。

株式会社ラスクで実際にれファラル採用でおすすめされたコメント

山本氏:
オンボーディング制度として、一つはCRP(カスタマーリレーションシッププロセス)といって、職種・サービスにおけるハイパフォーマーの行動プロセスを可視化したものを整えています。同じタイミング、内容、手段、基準でトレーニングを受けることで教育の標準化を目指しています。もう一つは、社内業務のルール浸透。正しい受注処理方法などを浸透させることでミスによる無駄な稼働を減らすようにしています。

教育担当に負担が偏り、バラつきのあった新人教育を、「一人前育成プログラム」で一本化

インタビューの様子2

オンボーディングについてより詳しく伺います。まず、オンボーディングの体制を整える以前は、どのような課題がありましたか?

山本氏:
課題は主に2つありました。ひとつは、組織が急激に大きくなる中、教育が属人化し、過度の負担がかかってパフォーマンスの低下が起こっていたことです。教育担当は入社2~3年目の若手社員ですが、彼らは教育専任というわけではなく、自らの業務や数値目標を持ちながら新人教育も担っています。採用人数も多く、毎月新しい社員が入社してくる中で、多い場合は1人の教育担当が10名ほどの新人の教育を抱えることもありました。

もうひとつの課題は、新人の成長スピードや知識やスキルの定着などにバラつきが目立ってきたことです。教育担当自身も自分の業務に精一杯であるため、どうしても教えるタイミングや、教える内容がまちまちになってしまいます。実際に、成長度合いに差がついてしまっていることもありました。
そこで、毎月複数名の新入社員が入ってくるのであれば、各教育担当がそれぞれの新入社員に教えるよりも、一括して基本的な知識やスキルを教えられる研修を設けた方が教育稼働の削減と品質の標準化につながり課題が改善できそうとなったのです。

組織が急成長して毎月入社者がいる中、教育担当と新入社員の双方のパフォーマンスが下がる悪循環となることを懸念して、オンボーディング体制の強化を始めました。

オンボーディングの具体的な取り組み内容について教えてください。

山本氏:
当社の主力事業である楽楽精算の営業担当に提供している「一人前育成プログラム」を紹介します。このプログラムは、「導入研修」と「ロープレ研修」のふたつの研修で構成されています。
「導入研修」は、入社直後に行う2日間の研修です。楽楽精算の概要や基礎知識や、プロダクトのユーザーである経理の方々の業務知識を座学で身に付けるほか、ハイパフォーマーの営業が実施している営業行動をロープレ形式で学びます。

「ロープレ研修」は、ハイパフォーマーの行動プロセスをもとに営業力の向上のために実施するものです。本配属後の入社2カ月目~最長7カ月目まで、月1回のペースで実施します。具体的な内容としては、顧客のタイプ別にシナリオを5パターン用意し、毎月1つずつ外部講師のもとでロープレを実施します。それに合格すれば、次に社内の評価者がロープレのチェックを行い、基準を満たしていれば合格となり卒業できます。

外部講師は、研修のプロや経理の業務知識のある方々に依頼しており、評価基準も詳細に設定して運営をしています。また社内の評価者についても、「評価者育成プログラム」を実施し、そこで認定された人にお願いをしています。このように、教える人や評価する人によってバラつきが出ないようにしていることも大きな特徴です。

研修プログラムの構築は大変かと思いますが、どのように作りこんでいったのでしょうか?

山本氏:
営業実務に直結する研修プログラムを人事が作ったとしても、納得感がなければ浸透しません。そこで、楽楽精算の管理職や、ハイパフォーマーなど、現場で影響力の強い人をプログラムの設計段階から巻き込んでいきました。そうすると、実際に研修を浸透させる時にも、その人たちが全面的に協力をしてくれるので、運用もスムーズに行うことができるというメリットがあります。

また、当社は中途採用が多い会社ですが、基本的にみんな未経験だという前提で研修を構築しています。そのため「導入研修」では、簿記・会計の基礎知識から組み込み、今まで触れたことのない人にも分かりやすいようにこだわりました。

オンボーディングの取り組みによる成果についてもぜひ聞かせてください。

山本氏:
研修プログラムを運営することで、営業の戦力化までの期間が10カ月から6.5カ月と3.5カ月短縮しました。新入社員からも、「中途にもここまで手厚く研修が用意されていて助かった」という声が上がっています。またこれまで現場の営業が担っていた月々60時間ほどの教育時間が3時間へと57時間の教育時間削減となり、負担の軽減につながりました。

そして、新入社員の知識やスキルを早いうちに一人前に引き上げるということは、早い段階から活躍できる人材を多数生み出すということです。これは「30%成長」という会社が掲げる高い目標を達成するためにも重要なポイントですし、新入社員本人にとっても成長の手応えを実感でき、モチベーションアップにつながります。

研修で足元を固め、さらに突き抜けた成長を。成長し続ける企業だからこそ、マネジメントのキャリアを描けるチャンスも豊富

インタビューの様子3

未経験の人でも、一人前に成長できるという安心感が、リファラル採用にもつながっているのですね。

河内氏:
紹介する社員にとって、この安心感は大きいと思います。やはり、「未経験でも、入社後にスムーズに立ち上がることができるように、しっかりと研修制度を整えている」ということ、そして「実際に、研修で早期成長の足掛かりをつかんで、活躍している人もたくさんいる」ということを、自信を持って伝えることができます。

リファラル採用だと入社後にも社員同士でフォローをしてくれるところがよい部分ですね。さらにそういった安心感だけでなく、研修でしっかりと一人前としての足元を固められるので、そこから飛躍的に成長し突き抜けるチャンスもあります。

「突き抜けるチャンス」とは、具体的にはどのようなことでしょうか?

篠田氏:
今回は、楽楽精算の研修にフォーカスしてお話をしましたが、当社には多様なプロダクトがあるため、別事業部や別職種への異動など、様々なキャリアのチャンスがあります。さらに、日本を代表する企業に向けて、今後8~10年以内に国内時価総額トップ100を目指しているのですが、そのくらいの時期になると、社員数も5000人~1万人規模になるはずです。M&Aも積極的に行うため、子会社も増えていくでしょう。そうなると、マネジメントのポジションも多数生まれます。マネジメントに挑戦したい方には、非常にいい環境だといえます。

そして、当社の規模からさらに30%成長を狙うということは、常に高いレベルで成長していくことが求められます。これまでラクスが築いてきた勝ちパターンもありますが、そこから先のジャンプアップができるかどうかが、今後の成長を左右するのです。

この大きな目標に向けて、トップダウンで施策を落とし込むことはもちろんですが、ボトムアップの動きもかなり活性化しています。メンバーが小さく始めてうまくいった施策を、チーム全体、さらには部門全体の施策として展開している例は様々な場面でみられます。そして、メンバー発信で新たなポジションが生まれるなど、一人ひとりのアイデアが受け入れられ、実際に会社の成長につながっているということも、当社の大きな魅力です。

最後に、今後の組織の展望や、採用候補者に対するメッセージをお願いいたします。

河内氏:
ラクスは、「日本を代表する企業になる」ことを、本気で目指しています。掲げた目標を絵空事として終わらせず、達成に向けて何が必要なのかをひたすら考え、それを戦略として落とし込み、実行につなげています。こうした、達成を前提として考える文化があるため、全社が同じ方向に向けて走ることができるのです。

そして、ただただ成長意欲だけで突き進むのではなく、安心して力を発揮できるよう経営の地盤をしっかりと築いています。創業時から実質無借金経営を続け、安定した収益を上げながら、次を見据えた投資を仕掛けていくという健全なサイクルを回せていることも、ぜひ知っていただきたいです。

さらに先ほどお話ししたように、一人前まで到達するための研修を設けていますし、そこから先に新しいことに挑戦できるチャンスがたくさん広がっています。だからこそ、社員には未経験でも成長意欲のある方を紹介して欲しいですし、そのような方にはぜひ応募していただきたいですね。

編集後記

今回は、ラクス様のオンボーディング施策「一人前育成プログラム」について紹介いたしました。大前提として、「日本を代表する企業になる」という大きなビジョンがあること、そこに向けてどのような戦略を描き、どんな人材が必要なのか、しっかりと考え抜かれたうえでのプログラムであるため、社員に対する腹落ち感もあるのだと思います。また、人事や研修担当が考えたプログラムを現場に押し付けるのではなく、現場で影響力の大きな人もプログラムの検討段階から巻き込んでいくことも、現場で役立つ施策の組み立て、現場への浸透に不可欠です。そのあたり、ラクス様のオンボーディング施策はしっかりと設計されていると感じました。

新入社員の成長や定着に悩みをお持ちの企業様、ラクス様の経営方針や現場の課題に根差したオンボーディング施策を、ぜひご参考にされてください。

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