インターンシップとは?種類や企業側のメリット、成功事例などを解説

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目次

  • インターンシップとは?
  • インターンシップの現状
  • インターンシップが注目される背景
  • インターンシップの目的
  • インターンシップの種類とメリット・デメリット
  • インターンシップの時期
  • インターンシップを成功させるポイントとは?
  • インターンシップの成功事例をご紹介
  • インターンシップで優秀層との早期接点を

近年、企業が続々と導入している「インターンシップ」。本記事では、企業側に焦点を置き、インターンシップの種類、企業がインターンシップを行うメリットを述べながら、実際の企業が行ったインターンシップの成功事例をご紹介していきます。

インターンシップとは?

インターンシップとは、企業が学生に職業体験の場を提供することで、学生へ業務内容や働き方への理解を深めてもらう制度のことをいいます。
アルバイトは、就業者が企業へ労働力を提供することで金銭を得る就労方法ですが、インターンシップは一般的に、学生が職業体験を得ることを目的としているため、金銭授受が行われないこともあります。企業にとっては就職活動前の学生に魅力を伝えることができるため、選考に参加する学生の母集団形成や、優秀な学生の早期囲い込みなどが期待できます。

インターンシップの現状

①学生にとってのインターンシップ

上記図は、大手人材企業マイナビが2023年3月卒業予定の全国の大学3年生、大学院1年生を対象に実施した、「マイナビ 2023年卒大学生インターンシップ調査(中間総括)」の結果です。
2021年10月時点で、約8割以上の23卒学生が1dayインターンシップに参加していることが分かります。


また、上記図は学生に「インターンシップ・ワンデー仕事体験に参加して、自身に変化があったと感じる点(複数回答可)」はどういった点だったかを聞いた回答です。第1位は、「自分に合う仕事・合わない仕事など、職業適性が分かった」という回答が約54%と過半数を占め、「仕事・働くことに対する意欲が高まった」という回答が2番目に多い約42%でした。

上記から、インターンシップは学生にとって、就職活動を始める前の社会勉強の場となり、なにか有益な気づきを与えてくれるものであることが分かります。「仕事」や「働くこと」など、学生の将来について考える機会を提供する場であり、学生にとって有意義な体験を積めるものなのです。

出典:図 23年卒学生、10月時点で83.6%の学生がインターンシップに参加【マイナビ調査】(Edtechzine)より作成
https://edtechzine.jp/article/detail/6549
※同調査は、「マイナビ2023」会員に対して2021年10月5日~14日)に行われており、2974名(文系男子:595名、文系女子:1371名、理系男子:442名、理系女子:566名)から有効回答。

②企業にとってのインターンシップ

ダイヤモンド・ヒューマンリソースが行った、22卒のダイヤモンド就活ナビ就活意識調査によると、インターン導入企業は大手企業で80.3%、中小企業では55.2%なっており、多くの企業がインターンシップを導入しており、採用活動の中で一般的な手法になっていることがわかります。
前段落で、多くの学生がインターンシップに参加していることをお伝えしましたが、企業・学生ともにインターンシップの導入・参加は「当たり前」になっており、もはや就活の一部になっていることがわかります。

そんな中、企業が自社のインターンシップに参加してくれた学生を他社の選考に逃がさないためには、他社に比べて「オリジナリティー」や「優位性」のあるインターンのコンテンツを構築・用意することが重要です。自社独自の強みを持ったコンテンツを通して学生を惹き付けることで、学生を採用するチャンスを生み出すことが期待できます。

引用:図 就活は親世代と子世代でこんなに変わった!意識ギャップを埋める基礎知識(ダイヤモンド・セレクト)
https://diamond.jp/articles/-/290716?page=2

インターンシップが注目される背景

インターンシップを取り入れる企業が増えているのは、何故なのでしょうか?インターンシップが注目されている背景を下記で解説します。

①就職活動の期間が短くなっている

インターンシップが注目される背景の1つ目は、就職活動の期間が短くなっているためです。

上記のグラフで、これまでに経団連が定めた就職活動開始時期を見てみると、2012年卒までは10月から。2013年~2015年卒は12月から。2016年卒は3月からと、開始時期が徐々に後ろ倒しになっていることがわかります。
企業にとっては学生との接点をとれる時間が短くなったことで、自社の魅力を十分に伝えきれないことや、双方を深く理解する時間がなくミスマッチが生まれやすい状況になっていることが考えられます。

2021年以降、経団連に代わって政府が就活スケジュールを定めることが決まりましたが、政府が定める2022年卒の採用スケジュールも、就職活動開始時期は「大学3年の3月以降」となっているため、企業は限られた時間の中で就活生を惹き付けミスマッチなく目標の採用数を獲得せねばならない状況になっているのです。

インターンシップは、プログラムの内容によっては就職活動中の学生だけでなく、就職活動前の学生、大学に入学したばかりの学生にも参加してもらうことができます。
短くなった就職活動期間内で戦うのではなく、就職活動が解禁される前段階で優秀な学生を見つけておき、彼らに自社の選考フローに乗ってもらえれば、他社が規定の採用スケジュール通りに就職活動を開始した段階で他社と差をつけることができ、採用活動において優位になることができます。
そこで、多くの企業は、就職活動の本選考が始まる前に学生と出会う場を作り、且つ優秀な学生を早期に囲い込むことができるインターンシップに目を向けているのです。

引用:図 新卒採用スケジュールの変遷(リクルートみらい研究所)
https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2019/04/hakusyo2019_08-09_Part1_up.pdf

②有効求人倍率が上昇している


インターンシップが注目される背景の2つ目は、有効求人倍率の上昇です。

上記のグラフから、現在の日本は有効求人倍率が上昇傾向であり、採用活動は年々難しくなっていることがわかります。

※有効求人倍率とは、下記のような定義です。

“一般職業紹介状況(厚生労働省)で毎月公表される経済統計の一つ。公共職業安定所(ハローワーク)に登録されている月間有効求人数を月間有効求職者数で割った値であり、この値が1を上回るかどうかが雇用環境のよしあしの判断材料になっている。”

引用:日本大百科全書(ニッポニカ)「有効求人倍率」の解説(コトバンク)
https://kotobank.jp/word/%E6%9C%89%E5%8A%B9%E6%B1%82%E4%BA%BA%E5%80%8D%E7%8E%87-159956

2020年はコロナの影響もあり1.18倍にまで低下していますが、2010年0.52倍であった有効求人倍率が、2019年には1.60倍にまで上昇しており、コロナウイルスの収束に合わせて経済活動が再開・活発化しつつある昨今、今後の有効求人倍率は上昇していくと推測されます。
また、有効求人倍率が上昇することで、企業や採用担当者は候補者の母集団形成が難しくなったり、内定辞退率の上昇に頭を悩ませたりと、採用活動全体に苦戦することが考えられます。

レッドオーシャンである採用市場において、他社との人材獲得競争に勝つためには、自社独自の魅力を深く理解してもらえる方法や、自社で働くイメージやメリットを感じてもらう方法を模索し導入することが必要になってきているのです。
そこで、自社の魅力や働き方を職業体験というリアルなコンテンツを通して学生に伝えることができるインターンシップが注目されているのです。

参照:表 完全失業率、有効求人倍率(独立行政法人労働政策研究・研修機構)より作成
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0301.html

インターンシップの目的

企業がインターンシップを導入する目的は下記の3点だと考えられます。

(1)人材の発掘

1点目は、優秀な人材発掘のためです。
就職活動のタイミングだけではなく、インターンシップを通じて学生との接点を増やすことで、より多くの学生と出会うことができます。インターンシップ中の働きを見ることで、企業側は将来有望な人材を見極めることができ、優秀な人材の発掘につながることが期待できます。

(2)人材育成

2点目は、人材育成です。
インターンシップは、企業にとって人材を育成する重要な機会です。インターンシップを行う期間にもよりますが、実際の企業での働き方を入社前の学生に教育し、体験してもらうことによって、業務や社会人としてのルールを知っているうえで社会人としてのスタートを切ることができます。

(3)離職防止

3点目は、離職防止です。
新卒採用後、すぐに離職されてしまうと企業側の損失は非常に大きいものになります。入社後に「想像していた業務内容と違う」、「企業風土が合わない」などのミスマッチが起こらないよう、インターンシップを通してよりよいマッチングをすることが期待されます。

インターンシップの種類とメリット・デメリット

下記で、インターンシップの種類を3つに分類し、各メリットとデメリットを紹介します。

1dayインターンシップ

1つ目は、1dayインターンシップです。
会社の概要を説明したり、学生とディスカッションを行ったり、業務知識に関する情報を学生に知ってもらうようなセミナー・講演会などが開かれることが多いインターンシップです。

・メリット
「自社の認知拡大、採用母集団の形成」です。
1dayインターンシップでセミナーや講演会を開催することで多くの学生を集めることができれば、一度に大勢の学生へ自社の概要や働き方を伝えることができます。1dayインターンシップで多くの学生から自社に興味を持ってもらう内容を企画することができれば、「この企業で働いてみたい」「本選考に進みたい」と考える学生を獲得でき、早期に採用母集団の形成を図ることができます。

・デメリット
「学生に自社の本質を詳しく伝えられない、学生個人の性格や強みを深くまで知ることができないこと」です。
1dayインターンシップは、企業の説明や講演会を行うことが多いですが、このようなセミナー方式の内容では学生と直接的な交流を持つ機会が少ないため、学生がより深くまで企業のことを知ることができないとも言えます。また、長期のインターンシップに比べると学生は長い時間をかけて実際の業務に携わることができないため、企業の魅力を短時間では理解できないこともあるでしょう。

短期インターンシップ型

2つ目は、短期インターンシップ型です。
数日~数週間程度の短期間で行われることが多いもので、1dayインターンシップよりも、より業務理解を深められるようなプログラムを開いている企業が多いです。例えば、グループワークで新規事業の提案を学生に行なってもらったりする内容もあります。
企業が学生に対して課題を提示し、学生が課題に対して解決を行うような内容であることが多いため、解決までの思考力やアウトプット力、プレゼンテーション力を確認することができます。
グループワークで行う企業も多く、学生同士のコミュニケーション能力もチェックすることができるでしょう。

・メリット
「企業のイメージ向上、社風の体験」です。
短期インターンシップは、1dayインターンシップよりも長い期間の中で業務体験をしてもらうことで企業のブランド力や強みを学生に伝えられることができます。
また、業務体験を通じて社風や企業で働くイメージをより身近に学生に体験してもらえることができるでしょう。

・デメリット
「プログラムによっては、学生とのミスマッチが発生すること」です。
1dayインターンシップよりも期間が長く設定されている短期インターンシップは、より実際の業務に近いプログラムに参加してもらうことが多く、中途半端なプログラム内容では、学生が企業の魅了や働くメリットを理解する前にインターンシップが終わってしまう可能性があります。その結果、学生がミスマッチを感じてしまい、採用選考まで進んでもらえなくなる可能性もあります。

長期インターンシップ型

3つ目は、長期インターンシップ型です。
数か月単位で組まれることが多いインターンシップになり、主に実務に取り組むことが多く、社員と変わらない内容を任されることもあります。学生が実際の企業内で、現場社員と同じ環境で業務を行うことにより、社風や社員の雰囲気、実務への理解を深めることができます。

・メリット
「早いうちからの優秀な学生の囲い込み」です。
長期インターンシップでは、学生の就職活動が本格的に始まる前から学生との接点を作ることができ、場合によっては優秀な学生の早期囲い込みや、獲得につなげることが期待できます。

・デメリット
「既存社員のリソース を中長期割いてしまうこと」です。
企業からすれば、1dayインターンシップや短期インターンシップと比べて、長期インターンシップは育成からプログラムの策定までに多くの工数がかかります。社会人経験が無い学生を受け入れて業務を行うことは、既存社員のリソースが多くかかってしまうことが考えられるでしょう。

インターンシップの時期

通年で募集を行っている企業もありますが、インターンシップを行う時期で、特に多い時期が8月と2月です。
理由は、これらの時期は夏休みや冬休みなどの長期休みに入っている学生が多く、企業にとって学生の参加を一定数見込むことができるためです。

インターンシップを成功させるポイントとは?

上記で、インターンシップの様々な種類を解説しましたが、企業がインターンシップを成功させるポイントとは、どのようなものがあるのでしょうか?

採用戦略まで設計を行う

学生がインターンシップに参加した後に、採用選考に進んでもらうために、戦略設計をすることが必要です。
インターンシップに参加してもらう学生のターゲット選定(ペルソナ設計)に始まり、インターンシップを通じて学生に選考へ参加してもらえるようなプロモーションをどのように行うのか、また、どのように学生のつなぎ止めを行うかなど、全体のストーリー構築が必要となります。
また、学生がインターンシップから採用選考まで、全体のプログラムを通してどのように成長をしていくのかを思考しながら企画・採用戦略の組み立てを行うことで、学生に成長実感を生み出すことができ、より自社の魅力を感じてもらいやすくなるでしょう。

※下記で採用戦略に関するまとめ記事を公開しておりますので是非ご活用下さい!
採用戦略立案までの流れやポイントを紹介

他社にはないオリジナルなプログラムを作成して学生を惹き付けること

自社の独自性を学生に感じてもらえるような、オリジナリティあるプログラムを作成することも必要です。
まずは、自社は他社と比べてどこが魅力的なのか?提供しているサービスの強みは何なのか?など自社独自の魅力を洗い出しましょう。
理念・ビジョンが強みの企業なのか、独自の商品を持っている企業なのか、福利厚生が整っている企業なのか、企業によって強み・魅力はさまざまです。
上記のように、自社の強みを理解した上で、その強みを知ってもらえるようなオリジナルのプログラムを作成することで、他社のインターンシップと差別化することができ、学生に魅力付けをすることができるでしょう。

インターンシップの成功事例をご紹介

合同会社ユー・エス・ジェイの事例

ユニバーサルスタジオジャパンなどで知られる、レジャーサービス運営を行っている当企業ですが、2021年に集計された、就活会議での「学生が本当に行ってよかったインターンシップ」という調査で、総合評価が高かった企業部門で1位を獲得しています。
特徴は、実際の社内教育プログラムを用いて、マーケティング技術の最先端を学ぶことができ、学生の将来のキャリア戦略に役立つプログラムを提供しているところです。
実際のワークショップを通じて、学生は「トライ&エラーを繰り返しながら成長していく」という企業の強みが体験できる内容となっており、エンターテイメント商材を用いて若手のマーケターが数百億円規模を生み出しているユー・エス・ジェイならではの独自の強みを生かし、学生を惹き付けています。

参照:学生が本当に行ってよかったインターンシップ2021(就活会議)
https://award.syukatsu-kaigi.jp/
合同会社ユー・エス・ジェイ
https://recruit.usj.co.jp/career/recruit/newgrads.html

インターンシップで優秀層との早期接点を

大手企業ではインターンシップを導入した企業が8割を超え、インターンシップにおける候補者の母集団形成に苦戦する企業も増えてきました。

集客方法も従来のマス向けの発信によるものだけではなく、内定者や若手社員の知人や友人の紹介から候補者の母集団形成を行う、インターンシップにおけるリファラル採用も活発化してきております。
優秀な学生はインターンシップの情報を知人、友人や先輩から情報を集め自身にとって有益なものをうまく精査しています。企業側にとっても、優秀な内定者・若手社員から得られたレファレンス情報をもとに学生の見極めをすることができます。
自社のインターンシップの魅力を学生に伝え、優秀層を採用していくためにリファラル採用は必要不可欠になってきているのではないでしょうか?

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より少ない工数で優秀な候補者の囲い込みを行うリファラル施策について、以下資料でまとめておりますのでぜひご覧くださいませ。

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