良い組織風土とは?構成要素やメリットを解説

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目次

  • 組織風土とは?
  • 組織風土の改革が注目される理由
  • 組織風土の構成要素
  • 良い組織風土を作るメリット
  • 組織風土を変革する際のポイント
  • まとめ

昨今、「組織風土」という言葉を聞く機会が増えましたが「組織風土」とは何を指し、企業にとってどんな影響があるのでしょうか?
本記事では組織風土の概要から良い組織風土を作るメリット、良い組織風土を作る際のポイントを解説していきます。

組織風土とは?

組織風土とはどういった意味なのでしょうか?
言葉の定義や類似用語との違いについて解説します。

組織風土の意味

組織風土とは、組織において共通認識となっている価値観や考え方、行動ルールのことを指します。
組織風土は目に見えないものや定量的に数値化できないものもあり各企業の組織風土を言い表すのは難しく、また、良くも悪くも自然に構築されていき代々引き継がれるものであり、外部の影響を受けにくく変化を加えることが難しいとされています。

組織風土と企業風土の違い

組織風土は企業や部、チーム単位での風土のことをいい、企業風土は会社単位での風土のことをいいます。風土に関する意味合いは同じですが、組織の規模感が異なるのがポイントです。

組織風土と社風の違い

社風とは、従業員が感じる企業の雰囲気や特徴のことを指します。
組織風土が「癖」や「性格」であるのに対して、社風は「人柄」のようなものだと考えられています。

組織風土の改革が注目される理由

組織風土はなぜ注目されているのでしょうか?

VUCA時代の到来

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字を取った言葉のことをいいます。
各単語が意味する通り、変動性が高く、不確実であり複雑化、さらに曖昧であることを指しており、昨今はVUCAの到来によって、個々の多様性を活かしながら、変化・挑戦を続ける組織であることが望まれており、そういった組織風土を醸成することが求められています。

高まる転職率(企業と従業員の関係性変化)

個々人の働き方に対する考え方や、キャリアについての考え方の変化から、終身雇用は徐々に崩壊しており、2010年4.5%だった転職者比率は2019年には5.2%まで上昇しています。2020年はコロナの影響等あり転職者比率は低下傾向にありますが、コロナショックが落ち着くのと合わせて今後も上昇していくことが考えられます。


出典:年齢階級(10歳階級)別転職者数及び転職者比率(総務省統計局)より作成
https://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.html

これに伴い企業は従業員一人ひとりに対して「働きたい・働き続けたい」と思ってもらえるような組織風土の醸成や、従業員に寄り添ったキャリア開発を一緒に行っていく必要があります。

企業に関わる制約の増大

働き方改革やリモートワーク、ハラスメントへの対応など、企業に関わる社会的な制約が増大している昨今。どのように従業員の理解を促進し、かつ、業務の生産性を高めていくかが非常に重要であり、そういった変化に対応できる組織風土を醸成することが求められています。

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組織風土の構成要素

組織風土の構成要素は大きく分けて「ソフト要素」「ハード要素」「メンタル要素」の3種類に分類できます。今回は各要素の解説と具体例を紹介していきます。

【組織風土の構成要素】ソフト要素

ソフト要素は、従業員一人ひとりの価値観や考え方、行動ルールのことを指し、表面化しているものの明文化はされていないような「暗黙のルール」「雰囲気」など目に見えない要素のことをいいます。

【具体例】
・組織内のローカルルール
定時の10分前には出社するのが当たり前である

・価値観
売上・利益ではなく、顧客のニーズに応えることが仕事である

・チームワーク
忙しい人がいればタスクを代わりに対応すべきである など

【組織風土の構成要素】ハード要素

ハード要素は、組織において明文化されたルールやルールに基づいて作られるもので、企業理念や就業規則など目に見える要素のことをいいます。

【具体例】
・企業理念
・MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
・クレド
・就業規則
・中期経営計画
・人事評価制度
・組織体制 など

【組織風土の構成要素】メンタル要素

メンタル要素は、目に見えないソフト要素の中でも従業員の精神面や心理面に強く影響する要素のことをいい、姿勢や自発性などのことをいいます。

【具体例】
・積極性
新しいプロジェクトやタスクに対して積極的に応募している

・自発性
社内の備品補充を自発的に自ら行う

・主体性
プロジェクトの他メンバーの進捗確認を行い主体的に進めていく など

良い組織風土を作るメリット

良い組織風土は企業と従業員にとって大きなメリットをもたらしてくれます。
下記に想定される良い組織風土によるメリットをまとめております。

企業と従業員の目指すべきベクトルを合わせることができる

組織風土のハード要素である「企業理念」「MVV」「クレド」などによってビジョンや目指すべき方向性が制定されており、この複数のハード要素を従業員に周知・浸透させることによって企業と従業員の目指すべき方向性(ベクトル)を合わせることができます。

従業員の心理的安全性が担保される

組織風土が従業員に周知・浸透されることで共通のベクトルに向かって、同じ価値観やスタンスで仕事ができ、心理的安全性が担保された状態で働くことができます。
心理的安全性が担保されることによって従業員同士のコミュニケーションもスムーズに行われるようになり、従業員感の関係性改善にも寄与することが期待できます。

従業員エンゲージメントの向上

良い組織風土が醸成されることによって、従業員一人ひとりにとっての職場環境が改善され、従業員の自社に対する愛着心が高まることが期待できます。
自社を好きな社員が増えることによってモチベーション向上による業務効率の改善や、知人・友人の紹介といったリファラル採用への良い影響が考えられます。

モチベーション向上・生産性向上

良い組織風土によって従業員のモチベーションや生産性が向上することが期待できます。
前述した目指すべきベクトルが合うことや、従業員間の関係性改善、エンゲージメントの向上などによって、従業員が業務にモチベーション高く集中できる環境が整い、生産性向上へとつながるのです。

組織風土を変革する際のポイント

良い組織風土はメリットが非常に大きいことがわかりましたが、変化・変革を加える際にどのような点に注意すればよいのでしょうか?

組織風土の要素抽出、課題特定が難しい

組織風土には、目に見える「ハード要素」と目に見えない「ソフト要素」「メンタル要素」がありますが、組織風土を構成している多くは目に見えないものであり、すべての要素を抽出するのは非常に難しく、かつ改善のための課題特定も非常に難しいものになっています。

変革が難しく成果が出るまでに時間がかかる

組織風土は、組織が長い時間をかけて自然に構築されたものであり、変化を加えることが非常に難しいものになっています。
企業は成果がでるまでに年単位での仮説検証を繰り返し中長期的に取り組む必要があるといえるでしょう。

組織体制や制度、事業戦略を変更する

組織風土に変化を加えることは難しいと前述しましたが、変化を加えるためには組織体制や制度、事業戦略といったハード面の変化から目指し・着手することが重要です。
従業員のソフト面を変化させるにはそれ相応時間がかかりますので、変化を加えやすいハード面から先行して着手して最終的なゴールを目指していきましょう。

まとめ

今回の記事では、組織風土の概要から注目される理由、構成要素、組織風土によるメリットや変革に向けてのポイントを解説しました。
企業がより強い組織を作っていくためには組織風土は非常に重要であり、長い時間をかけて着手していくべきものになっていますが、働き方改革やダイバーシティ、コロナショックなど変化の激しい昨今において企業の根幹となる組織風土の重要性は更に増していくことが考えられます。