リモートワークとは?普及率から導入の流れまで解説

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目次

  • リモートワークとは?
  • リモートワークの普及率
  • リモートワークのメリット
  • リモートワークのデメリット
  • リモートワーク導入の流れ
  • リモートワーク導入時の注意点と対処方法
  • 快適なリモートワークで企業の成長へ

コロナや働き方改革の影響もあり、近年話題となっているリモートワークという働き方ですが、どういったものなのでしょうか?

本記事では、テレワークとの違いや、リモートワークのメリット・デメリットについてご紹介します。またリモートワークの導入の流れ、導入時の注意点と対処法についてもご紹介します。

リモートワークとは?

新型コロナウイルスの感染予防や働き方改革をきっかけに、日本でも広まったのがリモートワークという働き方です。英語の「Remote(遠隔)」と「Work(働く)」を組み合わせた言葉で、リモートワークとは「会社から離れた場所で働くこと」という意味になります。
例えば、自宅やサテライトオフィス、カフェなど会社以外の場所で働くことがリモートワークにあたります。

テレワークとの違い

リモートワークと混同しやすい言葉に、テレワークがあります。リモートワークという言葉は比較的新しく生まれた言葉ですが、テレワークはリモートワークより前から使われていました。

厚生労働省のウェブサイトでは、テレワークを「情報通信技術(ICT)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義しており、オフィスから離れた場所で働くという点は、リモートワークとテレワークで共通しますが、情報通信技術を活用した働き方をしているのが、テレワークということになります。

参考:テレワークとは(厚生労働省)
https://telework.mhlw.go.jp/telework/about/

リモートワークの普及率

国土交通省による「テレワーク人口実態調査」によると、会社員などの雇用型就業者のうち、リモートワークに従事している人の割合は、2019年の9.8%から、2020年は19.7%と倍増しています。

また、コロナ禍においては、緊急事態宣言(2020年4~5月)中にリモートワーカーが増加し、全国で20.4%、首都圏では31.4%、地方都市圏では13.6%に達しました。しかし、解除後は減少傾向となり、全国で16.4%、首都圏では27.6%、地方都市圏では9.4%に落ち着きます。

リモートワークの実施場所は、自宅が約90%ともっとも多い一方、以前より勤務時間が長くなったり、自宅内のスペースが十分ではないなどの改善点も挙げられており、コワーキングスペースなどを利用したいというリモートワーカーも約38%にのぼりました。

また、緊急事態宣言が発令された4月以降にリモートワークを始めた人が約60%という数字から、コロナ禍がきっかけとなりリモートワーカーが増加したことが分かります。

参考:令和2年度のテレワーク人口実態調査結果(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001391075.pdf

リモートワークのメリット

リモートワーク導入によってどんなメリットがあるのでしょうか?
企業側のメリットと従業員側のメリットと分けてご紹介します。

    • 【企業側】
    • 1.多様な人材の雇用
    • 2.コスト削減
    • 3.事業継続性の向上(BCP対策)
    • 4.企業イメージの向上
    • 【従業員側】
    • 1.ワークライフバランス
    • 2.通勤ストレスの解消・満足度向上
    • 3.コロナ対策

企業側

1.多様な人材の雇用
リモートワークでは「オフィスに出勤する」という就業場所の制約がなくなることで、通常のフルタイムで出勤がしづらい人材の雇用や活躍のチャンスが増えるでしょう。
例えば、産休・育休中の方や、地方や海外に在住していてオフィスに来ることが困難な人などがあげられるでしょう。

リモートワークによって採用の対象が広がったり、既存従業員の離職を防ぐことで採用費の削減も期待できます。

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2.コスト削減
リモートワーク導入によって、交通費や出張費用など従業員の移動に関する費用や、オフィス賃料などのコストを削減することができるでしょう。
また、リモートワーク導入により出社する従業員が減少することで照明や空調などの光熱費削減にもつながります。

3.事業継続性の向上(BCP対策)
コロナや地震・台風などの自然災害など、予期せぬ災害時にもテレワークで業務遂行ができる体制があれば、緊急時における事業停止のリスクを最小限に抑えられ、また早期回復をすることができるでしょう。

4.企業イメージの向上
リモートワークは政府が推進している働き方改革に準拠しており、リモートワークを推進することで、「働き方改革を推進する良い企業」だと社会的に評価をされることにつながるでしょう。働きやすい企業として認知が広がり、自社従業員のエンゲージメント向上や、採用における優位性につながるでしょう。

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従業員側

1.ワークライフバランス
リモートワーク導入によって、従業員はオフィスへの出勤機会が減少し通勤時間を減らすことができます。
行き帰りにかかっていた通勤時間を従業員のプライベート時間に充てることができ、副業や趣味、家族と過ごす時間が増加することにより、よりワークライフバランスがとれた生活を送ることができるでしょう。

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2.通勤ストレスの解消・満足度向上
通勤ストレスに関する調査によると、通勤時間が短いほど仕事とプライベートの満足度が高いという結果が出ており、リモートワーク導入による通勤時間の減少によって従業員の満足度向上が期待できることがわかります。

参考:通勤ストレスがワーカーの満足度に与える影響(ザイマックス不動産総合研究所)
https://soken.xymax.co.jp/2019/06/04/1906-worker_survey_2019/

3.コロナ対策
リモートワーク導入により、通勤やオフィスで不特定多数の人と接する機会がなくなることで、ウイルスに触れる機会が減り、コロナ感染のリスクが減少するでしょう。
コロナ以外にもインフルエンザなど人を媒体にして広がるウイルスの感染リスクは低下すると考えられます。

リモートワークのデメリット

リモートワーク導入によってどんなデメリットがあるのでしょうか?
企業側のメリットと従業員側のメリットと分けてご紹介します。

    • 【企業側】
    • 1.勤怠管理
    • 2.導入コスト
    • 3.セキュリティリスク
    • 【従業員側】
    • 1.コミュニケーションをとる機会の減少
    • 2.生産性の低下
    • 3.運動不足による健康リスク
    4.光熱費の増加

企業側

1.勤怠管理
タイムカードやICTカード読み込みによって勤怠管理していた企業では、リモートワークに伴い新しい管理手法を導入する必要があります。
また、従業員が対面で仕事をしているわけではないので、勤務実態が把握できないといった懸念も考えられます。

パソコンのログイン・ログアウト時間を記録するなどさまざまな手法やサービスがありますが、実態把握はなかなか難しく、また、ツールの導入費用等も企業にとってデメリットの一つになるでしょう。

2.導入コスト
前述した勤怠管理のツール導入だけでなく、ファイルの共有サービスの利用やチャットツールの導入、WEB会議システムの導入など各種ツールの導入費用がコストとしてかかってきます。
また、ツールの導入や仕組みづくりに対応する従業員の稼働コストもデメリットになってくるでしょう。

3.セキュリティリスク
リモートワーク導入によって、自宅やカフェ、コワーキングスペースなどのオフィス以外の場所で従業員が業務を行うことによって、デバイス紛失・盗難の可能性や、フリーWi-Fi利用による情報漏洩などといったセキュリティリスクが高まるでしょう。

VPNやリモートデスクトップシステムの導入などリモートワークでも安全に業務ができる環境を整備することが企業には求められています。

従業員側

1.コミュニケーションをとる機会の減少
リモートワーク導入によって従業員同士のコミュニケーション量は減少するでしょう。
チャットツールや電話、WEB会議システムを利用してコミュニケーションをとることは可能ですが、表情やニュアンスなど定性的な細かい情報が取得できず、意思疎通がうまくいかないことが考えられます。

特に、新卒社員や新規入社メンバーは各個人の価値観や考え方を把握するまでに時間がかかり、既存メンバーよりも影響を受けることが考えられます。

2.生産性の低下
リモートワーク導入によりオン・オフの切り替えが難しく、セルフマネジメントがうまくできない人は生産性が低下するリスクがあるでしょう。
また、ネット環境や騒音など、外部要因による生産性低下も引き起こされることが考えられます。

生産性向上はどの企業においても必要な共通課題であり、企業の継続的な発展に必要不可欠なお題となっております。下記資料ではHR戦略の観点から企業の生産性とエンゲージメントを高めるためのメソッドをご紹介しておりますので、是非一度ご確認頂き自社のHR戦略にお役立て頂けると幸いです。

3.運動不足による健康リスク
リモートワーク導入により通勤の機会が減少することで、通勤時の徒歩や階段の昇り降り等がなくなり運動不足になることが考えられます。
また、コロナによる外出自粛も相まって運動不足に拍車がかかることも懸念されます。

4.光熱費の増加
リモートワーク導入により自宅にいる時間が増え、照明やエアコンなどの利用増により光熱費が増加することが考えられます。
厚生労働省がテレワークに要する費用負担について言及しており、企業の対応が求められています。

参考:テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000683359.pdf

リモートワーク導入の流れ

実際にリモートワークを導入するときは、いきなりリモートワークを開始するのではなく、目的ややり方について指針を立て、それを従業員に伝えることが必要です。導入の基本の流れは、以下のとおりです。

1.導入目的の明確化・目標設定

リモートワークが機能しているのか?成果が出ているのか?
目的を明確にして目標設定することで導入後の振り返りがしやすくなるでしょう。導入することではなく、その後のメリットを享受できることが目的ですので、事前に目的・目標を設定して制度設計・導入を行いましょう。

2.リモートワークの対象者(範囲)決定・制度設計

リモートワークの対象範囲と、どういった場合にリモートワークを適用してもよいのか制度設計を行いましょう。
曖昧な設計をしてしまうと、従業員もリモートワークしてもよいのかどうか判断がつかず普及の大きな妨げになってしまいますので、誰でもわかるようにルールを作り浸透させていきましょう。

既存の就業規則や人事評価制度に関わる場合どちらかを変更しなければならないこともありますので、事前に確認を行い現状の制度把握も並行して行っていきましょう。

3.導入計画、セキュリティガイドラインの作成

導入スケジュールや周知のための研修や社内広報など、導入計画を作成しましょう。また、情報漏洩を防ぐためにセキュリティガイドラインを作成し、従業員への周知・浸透に向けたロードマップも作成しましょう。

4.リモートワークに必要な各種ツールの選定

リモートワーク導入後に従業員が必要になる各種ツールの導入検討を行いましょう。
WEB会議システムや、チャットツール、勤怠管理ツールなど、多くのツールが必要になりますが、機能が重複しているものもありますので、各企業の状況に合わせてツール選定をしていきましょう。

5.従業員への周知・リモートワーク開始

リモートワーク導入の目的や制度、セキュリティガイドラインなど、従業員への周知を行い、リモートワークを開始しましょう。

導入後は従業員から新しいツールの利用についてや、制度についての質問が発生することが考えられますので、QA表の作成や相談窓口の設定・周知を事前に行うとよいでしょう。

リモートワーク導入時の注意点と対処方法

リモートワークを導入する際は、企業側と従業員側で注意するべきことがあります。

企業側:注意点と対処方法

リモートワーク導入の際は、ネットワークの接続方法や、デバイスの管理といったセキュリティ対策を行う必要があります。
また従業員に対してリモートワークに関するルールを作成したり、従業員の出退勤をどのように管理するか手法の検討をする必要があります。

出退勤管理のシステムを導入や裁量労働制を導入するなど、企業の状況に合わせた最適な方法を導入しましょう。

従業員側:注意点と対処方法

リモートワークでは、従業員同士が離れて仕事することになるため、会社で仕事しているとき以上に、一緒に働く仲間とコミュニケーションをとることが大切になります。小さなコミュニケーションミスが、作業ミスや従業員同士のストレスにつながりますので、従業員同士が気軽にコミュニケーションがとれる環境を整備したり、伝え方や話し方の工夫を行い円滑に業務が遂行できるようにしていきましょう。

快適なリモートワークで企業の成長へ

リモートワークには数多くのメリットがあり、従業員のワークライフバランスの向上やモチベーションアップにつながると期待できます。もちろんリモートワークには、従業員同士のコミュニケーションの難しさやセキュリティ面など課題はありますが、それ以上に得られるメリットがあるでしょう。企業のさらなる成長を目指して、リモートワークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。