研修の目的や種類は?階層別に特徴やメリットを解説

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目次

  • 研修とは?
  • 研修の目的とは?
  • 研修の種類
  • 研修を開催するときのステップ
  • 研修の内容は?階層別にご紹介
  • 企業の継続的な成長のために研修をうまく活用・実施していきましょう

企業の成長のためには従業員を成長させるための育成が必要不可欠ですが、研修やセミナーの実施など育成のための手法はさまざまあります。
今回はそんな従業員育成手法の一つである研修について、メリットや種類などを解説していきます。

研修とは?

企業・人事における研修とは、従業員が業務で必要なスキルやノウハウを習得できるよう勉強会やセミナー、OJTなどの施策を実施することをいいます。

研修をセミナーと呼ぶこともありますが、一般的に研修は業務の一環として会社が実施しするものなのに対し、セミナーは外部が開催し個人が自由に参加できるものであり、厳密には両者は別ものであることがわかります。

研修の目的とは?

研修を実施する目的にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は企業側、従業員側の視点から研修の目的をご紹介していきます。

企業側の目的

企業側が研修を導入する目的は、従業員の人材育成です。
研修によってスキルアップを促すことによって、従業員一人ひとりの生産性向上に寄与し、最終的には企業の売上・利益向上という企業成長につなげることができるでしょう。

従業員側の目的

従業員が研修に参加する目的は、自己成長のためです。
既存業務に足りないスキルを補ったり、自身の考えるキャリアプランに必要な能力開発を行うために、研修に参加し知識の習得やスキルアップを行います。

研修の種類

研修の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?

OJT

OJTとは「On the Job Training」の略で現場での実務を通じて業務の知識や技術を身につける育成・研修手法のことをいいます。

OJTとは?意味や導入のメリット・デメリット、効果的に進めるポイントを解説

OJTのメリット
OJTでは従業員に対して1:1で行われることが多く教わる側の理解度や習熟度に合わせて研修内容やプログラムを変更・修正しながら進めることができ、一人ひとりに対して柔軟に対応することが可能です。

OJTのデメリット
OJTのデメリットは、教える側のスキルや指導力によって教える内容や習熟度に大きな差が生まれてしまうことがあげられます。現場に任せきりにしてしまうと教わる側の学びが進まずに放置されてしまうことも考えられますので、人事や現場の他従業員からフォローを行うことも必要になってくるでしょう。

OffJT

OffJTとは「Off the Job Training」の略で、現場を離れて行われるセミナーや研修のことをいいます。

OffJTのメリット
OffJTのメリットは専門性の高い内容を体系的に学べることだといえるでしょう。また、受講者に対して比較的均一に指導が行われますので、OJTに比べて習熟度に差ができることを防止することが期待できます。

OffJTのデメリット
OffJTのデメリットは実務に沿った内容を学びにくい点が挙げられます。OJTであれば業務の中で指導が行われ実務を早くキャッチアップすることができますが、OffJTの場合は体系的な知識は学べる一方、担当業務のフローや言葉の定義など個別勉強しなければならない項目も発生し実務にそった内容を学びづらいことが考えられます。

eラーニング

eラーニングとはインターネットを利用して学ぶ学習形態のことをいいます。
動画などを活用した学習教材から、リアルタイムに行われるオンライン研修などが含まれます。

eラーニングのメリット
eラーニングのメリットは受講場所を問わず学習に取り組めることです。場合によっては時間に制限もなく、自由な場所や時間の中で学習を進めることができます。近年ではマイクロラーニングという5分・10分といった短時間での学習方法も生まれており、スキマ時間を活用して効率よく学習できるようになってきています。

eラーニングのデメリット
eラーニングのデメリットはいつでもどこでも受講できる反面、学習の進め方が個人に依存してしまうため、場合によっては形骸化してしまうことだといえるでしょう。また、インターネット環境がなければ受講できないのでネット環境の整備へコストがかかってしまう点もデメリットとして考えられるでしょう。

研修を開催するときのステップ

研修を開催する場合どのようなことを行わなければならないのでしょうか?
ここではステップ毎に解説していきます。

①目的と目標の設定

なぜ研修を行うのか?研修を通して何を実現したいのか?目的と目標を設定していきましょう。
どのような研修プログラムを行うのか?など、具体的な研修手法の選定から入ってしまうと本来実現したい目的が疎かになり、結果的に目的や目標が達成できなくなってしまうこともありますので、自社の課題感やMVV、中期経営計画などから棚卸をして、研修で実現したい目的と目標を設定していきましょう。

Why(なぜ):研修の目的
What(なに):研修の目標

②研修計画・方法の策定

自社の目的・目標に合わせて、研修スケジュールの作成やスケジュールに沿って何を行っていくのか研修手法の決定などを行いましょう。下記のように5W1Hに沿って計画をたてられると良いでしょう。

Who(誰が):対象となる従業員
When(いつ):日程やスケジュール
Where(どこで):会場 or リモート実施の有無
How(どのように):OJT、OffJT、eラーニングかなど研修内容

③講師やスタッフ、外注業者の選定

研修の計画や方法・手法が決まったら誰が計画した研修内容を誰が実施するのか講師やスタッフの選定を行いましょう。
受付担当者や会場担当者、講師との事前の打ち合わせを行う担当者など、研修の運営には多くのスタッフの確保と準備が必要になります。また、研修会場、プロジェクター、当日の昼食や備品など多くの準備品が必要になりますので、抜け漏れが無いように事前に準備を進めていきましょう。

④研修の実施

研修の進行スケジュールに沿って研修を運営・推進していきます。当日は受付を設置して参加者の確認を行いましょう。参加できなかった従業員には研修当日のアーカイブ動画の配信から視聴・受講してもらったり、研修資料の配布や理解度チェックテストなどを行い研修の該当者全員が研修に取り組み、研修内容を理解できるよう工夫していきましょう。

⑤理解度チェックや研修レポートでの振り返り

研修のプログラムが終了したら受講者が今回の研修内容を正しく理解できているのか、理解度チェック(テスト)を行いましょう。可能であれば研修前にもテストを行い研修前後での効果がどの程度あったのか効果検証できると研修実施の効果。意味がより定量的に測定できるはずです。
また、場合によっては受講者に研修レポートの作成を行ってもらいましょう。自己啓発に関する研修など受講者本人の意向醸成を目的とした研修の場合、理解度チェック(テスト)のみでは目標達成度合いを測定することが難しいので、研修に関する感想や理解したこと、気持ちの変化や個々人のネクストアクションまでまとめてもらい提出してもらうことで、目標達成度合いを測定しつつ、本人も研修で学んだことを整理することができるでしょう。

研修の内容は?階層別にご紹介

研修の内容にはどういったものがあるのでしょうか?今回は階層別にどういった研修があるのかご紹介していきます。

管理職向けの研修内容

管理職向けの研修では、業務マネジメントから、組織マネジメント、人のマネジメントに関する研修を行うことが多いでしょう。
業務マネジメントではリーダー向けの研修内容と被る部分もありますが、管理職向けの研修では中堅社員(リーダー)向けの研修に比べ、組織や人のマネジメントに関する研修が増える傾向にあります。プロジェクトの成功だけではなく、組織・人の成長や結果を残すために必要なスキルや知識をこういった研修から学ぶことができます。

コーチング研修
コーチング研修では自チームの従業員から外注先まで、業務に関わるさまざまなステークホルダーに対するコーチングを学ぶ必要があります。個人ではなく組織で成果をあげ継続的に組織が成長できるようにコーチングを通してその基礎を学んでいきます。

マネジメント研修
メンバーの育成方法の計画から実行、チーム・組織内でのメンバー個々人の最適な配置を考え配置することなど、さまざまな項目の研修が行われます。

中堅社員(リーダー)向けの研修内容

中堅社員(リーダー)向けの研修では、リーダーに必要なポータブルスキルに関する研修や、マネジメント、プロジェクト推進に関わる研修が多く行われています。

ポータブルスキル研修
クリティカルシンキング、ロジカルシンキングなどの思考法に関する研修や、ファシリテーションやプレゼンなどのコミュニケーション能力や対人力を鍛える研修などがあります。
専門的なスキルのみだけでなく、汎用的なスキルを身に着けることでリーダーとしてプロジェクト成功を実現する基礎力を身に着けることができます。

プロジェクトマネジメント研修
プロジェクトの目的・目標の設定から計画の策定、プロジェクト実施の進捗管理など、プロジェクトリーダーとしてのスキルを身に着けられるものになります。

新入社員向けの研修内容

新入社員向けの研修では、ビジネスマナー研修やコンプライアンス研修など社会人としての常識や基礎を学んでもらう内容が中心となっています。
各企業の業界や業務に紐づく内容は基本的に少なく、あくまでも社会人としての土台作りとして活用・実施されるイメージです。

ビジネスマナー研修
敬語などの言葉遣いから、お辞儀、名刺交換など、社会人としての基礎を学ぶ研修です。研修形式は座学やロールプライング形式などで行われます。

コンプライアンス研修
法令遵守のための行動規範や、コンプライアンス違反のケーススタディを参考に求められる
対応方法などの研修を行います。
自信の行う業務や行動によってどんなリスクが生まれる可能性があるのか、新入社員へ意識づけを行い、適切な対処方法を周知・徹底することが求められます。

コンプライアンスとは?意味や違反事例などわかりやすく解説

自己啓発研修
社会人として継続的な成長を目指すために、自己啓発に関する研修を行う場合もあります。目標達成を目指し、何を行わなければならないのか?効率的に進めていくためにはどんな思考法が必要なのか?など新入社員が今後自己啓発するために必要な項目を研修していきます。

内定者向けの研修内容

コロナ禍の新卒採用において、オンライン化や就職活動の長期化によって、「本当にその会社で決めていいのか?」と不安になったことがある学生が一定数おり、内々定後のフォローが重要視されています。

アンケート結果においても約9割の学生が入社までに研修やフォローを希望しており、従来以上に企業から内定者へのフォローが必要になっていることがわかります。

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MyReferエンゲージメント研修の5つのポイント

①エンゲージメント研修により、内定者の帰属意識向上、内定後(承諾後)辞退の防止
②自社の理解をより深め、仲間集めをするプロジェクトにて、内定者のビジネススキルを開発、入社後オンボーディングに寄与
③母集団形成が難しいコロナ禍の新卒採用において、内定者のリアルなつながりより、優秀な母集団を形成
④翌年(24卒)の新卒採用、内定者のフォローに多忙な人事担当者様の企画、当日運営フォロー、運営工数の削減、ノンコア業務の巻き取り
⑤圧倒的にリーズナブルな費用対効果(採用と内定者フォローの双方に効く)翌年採用、研修コストの削減

企業の継続的な成長のために研修をうまく活用しよう

企業が継続的に発展していくためには、従業員が成長できる環境を整備することが非常に重要であり、研修はあくまでも数ある手法の一つに過ぎません。
しかし、研修制度は直接的な従業員のスキルアップの効果のみだけでなく、「従業員を大切にしている企業」だと企業のイメージ向上や従業員エンゲージメント向上まで寄与できるものだと考えられます。この記事を読んだことを機会に改めて貴社でも研修制度について再考・再設計してみてはいかがでしょうか?