【人事必見】eNPSで職場環境を完全把握!企業を成長させる新たな指標

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eNPSで職場環境を完全把握!企業を成長させる新たな指標

企業の業績向上および顧客満足度向上のため、多くの企業が「従業員満足度」の調査を行っていますが、現在、従業員満足度以上に注目されているのが「eNPS」です。eNPSは従業員満足度よりも正確に職場環境を把握することが可能であり、業績向上、離職率の低下、優秀な人材の確保など、あらゆる面で役立ちます。
今回は、社内環境の向上に注力している企業の人事担当者に向けて、eNPSの概要や計算方法、従業員満足度との違い、eNPS数値に関連するとされる4つの想定要因をご紹介します。

eNPSとは?

eNPSについて、「似たような言葉が多くて理解しづらい」「従業員満足度との違いが分からない」という方もいるかもしれません。そこで以下では、eNPSの概要、計算方法、従業員満足度との違いについてご紹介します。

eNPSの概要

eNPSは “Employee Net Promoter Score”の略であり、従業員エンゲージメント(自社に対する愛着、職務内容や待遇への満足度、働きがいの実感度など)を数値化したものです。顧客ロイヤルティを可視化する指標である“NPS(Net Promoter Score)”を従業員向けに応用したものであり、Appleが従業員のロイヤルティマネジメントに活用したことがきっかけで広まりました。

eNPS調査では、「現在の職場で働くことをどの程度親しい友人や知人、家族に勧めたいと思いますか?」という質問を行い、0~10点で評価してもらうことで職場の推奨度を数値化します。これにより従業員の企業に対する意識を定量的に把握できる他、「上司や同僚、部下との関係」「福利厚生」「有給休暇の取得のしやすさ」などの細かな項目が、推奨度の数値にどれほど影響したかを知ることが可能です。

eNPSの計算方法

eNPSを算出するには「現在の職場で働くことをどの程度親しい友人や知人、家族に勧めたいと思いますか?」という質問をし、それに対して0~10点で評価をします。
0~6点をつけた方を「批判者」、7~8点をつけた方を「中立者」、9~10点をつけた方を「推奨者」とし、推奨者の割合から批判者の割合を差し引いたものがeNPSの数値です。

例えば、「推奨者」の割合が50%で、「批判者」の割合が20%だった場合、50%-20%=30%となり、eNPSの数値は30になります。つまり、推奨者の割合が多く、批判者の割合が少ないほどeNPSの数値は高くなるよう設計されています。

eNPSと従業員満足度の違い

eNPSと従業員満足度の違いは2点あります。ひとつは「職場の現状を正確に把握できる」という点。eNPS調査は従業員満足度の調査と比べて、チームや企業の生産性や離職率、メンタルヘルスなどと相関関係が強いとされています。事実、ある調査によってeNPSが高い企業ほど生産性が高く、従業員の離職率も低い傾向にあると指摘されています。
「働いている企業を親しい友人や家族に勧めるか」という質問をすることから、単純に満足度を回答するときよりも高得点をつけるハードルが高くなるため、より詳しく従業員の企業への参加意識や職場環境を把握することができるのです。

もうひとつは、「推奨者」「中立者」「批判者」といったセグメントごとに最適な解決策を用意できるという点です。推奨者と批判者では傾向が異なり、推奨者は離職率が低いのに対し、批判者は推奨者や中立者の2倍になるといわれています。この他の項目でも、推奨者と批判者は真逆の特徴を有していることが分かっています。セグメントごとに分類することで、推奨者を増やすための施策を打ち出したり、批判者を減らして離職率を改善したりと、アクションプランを明確化できます。

eNPSを可視化する重要性

eNPSを可視化する重要性

eNPSを計測し、従業員エンゲージメントを把握することは経営課題の解決を見出す上で重要です。以下では、eNPSを可視化することで得られる効果やメリットをご紹介します。

リファラル採用に役立つ

eNPSが高い従業員は、リファラル採用に積極的に取り組む傾向が強いといわれています。また職場に対するロイヤルティが高いため、職場環境をよくしようと優秀な人材を紹介するケースも少なくありません。
紹介によって採用された人材は企業の理念や価値観に対して適正が高く、定着率が高いため、eNPSの高い社員に絞ってリファラル採用に取り組めば優秀な人材を効率的に集めることができます。

離職率の低下を実現できる

eNPSを可視化することで、離職する可能性が高い人を予測し、対策を立てることが可能です。仮に仕事の成果を上げている人が批判者であった場合、eNPS調査によって問題を洗い出すことができるため、優秀な人材の流出を防ぐことができます。

チームや企業の生産性が高まる

eNPSを高めることは、従業員の意識改革につながります。「一生懸命働いて自分を高め、会社に貢献したい」というように、企業のことを自分ごととして捉え、自分と企業が成長できるように前向きに考えるようになるのです。従業員が自社への愛着を持ち、主体的に仕事に取り組むことは企業の収益性に直結するため、結果としてチームや企業の生産性をアップさせることにつながるのです。

顧客満足度の向上につながる

eNPSを高める従業員は、顧客に対してより高品質で優れたサービスを提供したいという気持ちが高く、熱意を持って仕事に取り組みます。密にコミュニケーションを取ったり、顧客が喜ぶサービスを提案したりといった姿勢が顧客から評価されやすくなるため、結果として顧客満足度が向上し、企業の業績を伸ばす好循環を生むのです。

eNPSに影響を与える?4つの想定要因

eNPSに影響を与える?4つの想定要因

eNPSが高まる要因を知ることは、企業にとって重要なことです。以下では、4つの想定要因とeNPSの関連性をご紹介します。

正当な「報酬」を得られるとeNPSは高くなる

「正当な報酬を得られている」と感じている方は、eNPSが平均よりも高い傾向にあります。正当な報酬は自身の働きに対する評価と受け取られやすいことから、自社に対する信頼度が増す結果になっていることが予想されます。

「顧客への貢献感」もeNPSを高める

「顧客のために仕事をしていると感じる」という方のeNPSは高く、「顧客のために仕事をしていないと感じる」という方のeNPSは極めて低いという結果が出ています。このことから、顧客への貢献度は仕事から得られる幸福感が高め、自社への愛着や信頼度、仕事のやりがいを見出しやすくなることが分かります。

「長時間労働」はeNPSにさほど影響しない

意外でしょうが、長時間労働はeNPSにあまり影響しないことが分かっています。調査によると、もっともeNPSが高い労働時間は5~9時間と9~12時間、次が15時間以上と5時間未満、もっともeNPSが低かったのは13~15時間となっています。
過剰な労働は推奨されるものではありませんが、それだけがeNPSの低下につながる要因ではないのかもしれません。

このように、正当な報酬や評価を得られたり、顧客への貢献を感じられたりすることが、eNPSを高めるためには重要です。eNPS調査を行う際は、企業が設定する報酬、評価制度なども一緒に洗い出してみましょう。

eNPS調査を実施して職場環境を把握しよう

従業員の自社に対しての意識は、外からは見えづらいもの。また直接聞いたとしても、なかなか胸の内を吐露できる方は少ないのではないでしょうか。しかし、eNPS調査を行うことで、従業員の本当の気持ちを数値として可視化できます。従業員のモチベーションの変化に気づいたり、職場環境を整備したりなど、様々なことに役立てることが可能なので、ぜひ企業で取り入れてみてはいかがでしょうか。