【完全版】リファラル採用が失敗する6つの理由。リスクと成功への手順

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【完全版】リファラル採用が失敗する6つの理由。リスクと成功への手順を徹底解説

低コストで質の高い人材を採用できるリファラルリクルーティング(リファラル採用)が注目されていますが、その運用の難しさから、導入失敗、運用失敗に終わる企業は少なくありません。
その理由は何か?失敗事例と成功のポイントを分解して解説します。

  • リファラル採用を検討しようとしているが、取り組む前のリスクヘッジとして先人の失敗事例を知りたい
  • リファラル採用の全社展開を社内に通すうえで、壁となりうる失敗事例を学びたい
  • リファラル採用を実施しているが限界を感じている
  • なぜ自社がリファラル採用に失敗するのかのTIPSを学び、自社課題を特定したい

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リファラル採用はなぜ失敗するのか?

リファラル採用とは、社員やスタッフに人材を紹介・推薦してもらう採用手法のことを言います。
従来の「縁故採用」とは違い、信頼できる自社の人脈を活用し、戦略的に質の高い人材を採用する手法として日本でも大きな注目を集めています。

その反面、リファラル採用の制度を設計し実施したものの促進することができず、結果的に制度が形骸化して失敗に終わるケースが多々あります。なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。

今回は、リファラル採用の失敗事例を中心に、どうすれば成功するのかというところまで踏み込んで徹底解説していきます。

リファラル採用の運用に必要な知識・スキル

リファラル採用を成功に導くうえで、以下の二つのスキルが必要になります。

  • ① 人事・採用戦略を立案する知識・スキル
  • ② マーケティングに関する知識・スキル

前者は言わずもがなではありますが、求人媒体や人材紹介エージェントと比較して導入に負荷が大きく、社員を巻き込む(人事完結しない)リファラル採用は、特に採用戦略全体を考えるスキルが必要になります。

単なる採用チャネルの一つとして、目的を定義せず取り組むのではなく、競合・自社・候補者を踏まえたうえでの自社の採用戦略とリファラル採用の位置づけを理解し、人事課題・採用課題を解決するソリューションとしてリファラル採用を実践するうえで必要になる知識スキルです。

また、リファラル採用は一種の社内マーケティングです。
どの職種のどの社員に、どのようなメッセージを伝えれば紹介が促進されるか?社員のエンプロイー・エクスペリエンスを考え、体系化し、ときには広報的な視点を持って社内マーケティングする必要があります。人を動かすコンテンツを考え、巻き込むマーケティングスキルが必要と言えるでしょう。

リファラル採用の失敗事例

上述の通り、多くの企業が十分な準備やリソースを確保せずリファラル採用に着手し、失敗に終わっています。
これらの失敗要因は何なのか?要素を分解して解説していきましょう。

① 目的、目標が明確でなく、自社がリファラル採用に取り組む意義が整理できない

リファラル採用の導入失敗にありがちな例は、何のためにリファラル採用を実施し、どのような目標を達成するのかが明確になっていないケースです。
リファラル採用を導入すること自体が目的となってしまうと、定性・定量的な数値目標も立てられないため、効果を確認して改善していくというPDCAが回せません。まずは、自社がなぜリファラル採用に取り組むのか?という目的を明確にし、その結果、何を実現するか?という目標を定める必要があります。これが疎かになると、現場社員を巻き込むうえでのストーリーがなく、形骸化します。

② 経営陣、上位役職者の協力が得られない

リファラル採用を成功に導くうえで、経営陣、上位役職者の協力は不可欠です。
一般的な企業において、採用は現場のメインミッションではありません。
経営陣や上位役職者の協力が得られなければ、人事の一人相撲となり、インセンティブやキャンペーンで強制的に動かさざるを得ない状況になります。会社として、本質的に『全社員採用が必要である』という意義を設定することで、人事部や管理部のみがリファラル採用に必死になり、現場がやる意義を見出せない事態を回避できるはずです。

③ 短期間での成果が求められる

リファラル採用を取り組んだからといって、いきなり何十、何百もの応募が来るわけではありません。中長期的に社内に社員紹介の意義を浸透させ、自社に対する当事者意識を醸成していく過程で従業員のエンゲージメントも向上していくものです。
リファラル採用の意義を曲解し「●カ月で●●名採用する」などの短期指標を置くのではなく、中長期的に組織を良くしていく(活性化させる)という観点で取り組む必要があります。
中長期的な視点を持って社内への浸透に力を注げば、数か月後には全社員が採用活動に協力的になる文化が醸成され、後々は人事負荷をほぼかけずに自然とリファラルが発生する土台が出来上がります。

④ 自社の社員特性に合わせた巻き込み方を考えられていない

リファラル採用において、人事、経営、社員間のコミュニケーションプランは、企業や展開する社員特性によってまちまちです。業界や企業規模によりその企業に適したコミュニケーションプランは異なりますし、自社社員の職種、平均年齢、ロイヤルティによって、適したコミュニケーションプランは異なります。
「自社社員は社交的ではないのではないか?」「自社社員は友達が少ないのではないか?」
「自社社員はロイヤルティが低いのではないか?」「うちの社員は紹介してくれないのではないか?」このように「自社の社員は●●な人が多いのでうまくいかなそうだ」と、ひとくくりに捉えるのではなく、その会社の社員適正に合わせた巻き込み方を考える必要があります。

⑤ 社員に定期的に周知するコンテンツがわからない

リファラル採用の成功の鍵は1にも2にも社員認知の浸透度合いです。人は一週間に77%の物事を忘れると言われており、社員からするとメインミッションではない採用活動は特に忘れます。社員へ認知を浸透させ、当事者意識を醸成してもらうために、定期的に社内に周知活動を行う必要がありますが、その際に単なるリファラル採用の求人のみを毎月案内しても、社員からするとノイズに感じられてしまいます。社員が見たくなるような、協力したくなるようなコンテンツを考え、様々な角度から社内に配信することで動機付けする必要があります。

⑥ 社員のリアクションが定量的にわからず、PDCAが回せない

リファラル採用は社員を動かすためのマーケティング施策です。どれくらいの社員が人事からの周知に反応・共感し、協力し、友人に声がけ、応募獲得に至っているか?この中間指標がわからなければ、効果的に社内を巻き込むことができません。
リファラル採用を実践している多くの企業で制度や施策が形骸化する背景がここにあります。「制度概要、社内を巻き込むコミュニケーション、インセンティブ、責任がかからない紹介フロー」これらが実践されているかどうか?リアルタイムに情報を分析して施策を回す必要があります。

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リファラル採用導入前・導入後における運用ポイント

ここまでリファラル採用が失敗してしまう要因と失敗例を解説してきました。
それでは、リファラル採用を効果的に運用し、成功へ導くにはどうしたらよいでしょうか?

リファラル採用の中長期的な目的、短期的な目標を明確にする

「リファラル採用の目的は潜在層へのアプローチであり、目標は採用単価の削減である。」
このような、目的や目標が漠としていて不透明な状態であれば振り返りをすることも施策を講じることもできません。
「現場全員で仲間集めをすることで、当事者意識(エンゲージメント)を向上させ持続可能な採用チャネルを確立することが目的であり、〇名の社員が自社を紹介し、その結果〇名の決定、〇円のコストカットを実現できている状態が短期目標である」
このような、自社がなぜリファラル採用に取り組むか?という中長期的な目的、どのKPIを追うのかという達成指標を整理することが重要です。

上位役職者の協力を得ることで、現場への意義浸透を加速

上述の通り、人事のみが必死に広報をするのではなく、上位役職者の協力を得ることで現場がリファラル採用に取り組む意義を醸成することが必要です。上位役職者の協力を得るためには、単なる母集団形成施策や採用費用削減施策などの「目先の採用を充足させるための、新しい採用チャネルの選択」という文脈のみではなく、従業員のエンゲージメント向上や企業の理念やビジョン浸透など、上位概念から自社がリファラル採用に取り組む意義を整理することが重要です。

短期ではなく、中長期的な組織戦略の位置づけとして取り組む

リファラル採用は人事完結しない分、社員を巻き込むうえで初期の負荷はかかるものの、仕組化さえできれば、自然と決定を生み出せ、かつ現場のエンゲージメントも高まる施策です。
つまり、短期ではなく中長期的な採用戦略の位置づけとして取り組むべきです。

社員特性に合わせたコミュニケーションプランを考える

「うちの社員は社交的ではない」「うちの社員はロイヤルティが高くない」リファラル採用が失敗に終わる企業でよくあがる声です。
しかし、どのような会社にもロイヤルティの高い社員、友人の多い社員はいます。一般的には自らすすんで積極的に友人に声がけをするような、リファラル採用に協力的な社員は全体の1~2割、自らすすんで友人に声がけはしないが、転職を考えている友人が周りにいて相談を受けたら人事に繋いでもいいという受動的な社員が7割、自社を友人におすすめしたくないと思っているネガティブな社員が1割と言われています。
どの社員が協力的か、非協力的なのかを特定し、社員ごとのコミュニケーションを考え、協力的な社員をいかに動かし、受動的な社員をいかに自分事化(エンゲージ)させていくかを考えることがリファラル採用の重要なポイントです。

社内周知の『量』と『質』を意識する

「なぜ自社がリファラル採用をやるか?」のストーリーもなく、半年に一回募集ポストとインセンティブ情報をメール配信するのみ。このような社内周知ではリファラル採用は形骸化します。自社がリファラル採用に取り組む意義、ストーリーがあり、メールや社内イントラ、説明会など複数の周知方法で、定期的に情報確度を変えて社内に周知することが重要です。また募集ポストのみでなく、自社の年間採用人数やその進捗、社内の制度ニュースなど、社員が自社を当事者意識化するための情報を提供することもポイントです。

社員のリアクションを定量的に把握し、PDCAを回す

リファラル採用は、ダイレクトソーシングなどと違い、社員を巻き込む採用手法であり、定量的な社員の活動データを可視化しないと、一切施策が打てません。ここを疎かにして、制度設計のみで形骸化する企業が大半です。社員リアクションを可視化するためには、リファラル採用ツールを活用する必要があります。
エクセルなどで自社管理をしていると、社員紹介経由の候補者の求人応募データや進捗状況、決定情報などは計測できるものの、その手前のプロセスである社員の協力率(社内認知率や友人への声がけ率)がわかりません。
リファラル採用を活性化させるためには、この社員の協力率や、制度の認知度、友人への紹介率やその友人の閲覧率や興味度などを可視化して課題抽出と解決策を実行することが大切ですが、自社(アナログな)運用ではそういったデータが取得できないケースが大半です。部署毎、役職毎、性別、年齢、社員毎でリファラル採用のプロセスデータを全て可視化し、今の自社のリファラル採用の健康状況を明らかにすることで、協力率の高い部署・社員毎の傾向がわかり、部署に合わせて周知の内容を変える、協力率の低い部署に説明会をする、などの対策を講じることができます。

上記TIPSの内、導入前のリファラル採用制度設計についてまとめた資料がこちらです。ぜひご活用ください。

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ここまででリファラル採用の導入に失敗するケースを6つの観点で解説しました。

ここから先はより具体的な企業の失敗事例を交えて、リファラル採用が失敗する6つの理由と成功への手順をダウンロード可能な資料として公開いたします。

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