Withコロナ時代に考える 企業の生産性を高めるためのHRコスト戦略

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新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020/4~6月期のGDPマイナス幅は年率で20%を超え、リーマンショックを超え戦後最大に達すると予測されています。
このような状況下で企業では従業員エンゲージメントや生産性低下への対策をしつつ、自社の業績維持のために自社にマッチした質の高い採用を低コストで実施することが求められます。

先日リリースした「Withコロナ時代に考える 企業の生産性とエンゲージメントを高めるためのHR戦略」に続き、今回はHRコスト戦略の観点から企業の生産性を高めるためのメソッドをお伝えします。

企業の生産性を高めるためのHRコスト戦略
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Withコロナ時代に考える採用生産性とHRコスト戦略

リーマンショック時の経済と採用のマクロトレンド

リーマンショック直前の2007年度利益を100とすると、すべての企業の利益水準は2011年度まで100を下回り、回復するのに実に4年の歳月を要しました。経営や事業が不透明な状況下では企業は投資活動に対し消極的になり、人員採用の計画数も減少傾向になるでしょう。当然ながら社員一人あたりの生産性を向上させる戦略や戦術が求められます。
一方で、生産性の高いハイレイヤー層や即戦力、プロフェッショナル人材に対する人材獲得ニーズは高騰していくと考えられます。

東京商工リサーチ「リーマンショック後の企業業績」調査

Withコロナに対して想定されるHRコスト戦略

企業はこれまで発生していた採用コストを見直し削減を行いつつも、質の高い人材の採用活動を続けなければなりません。また、こういった活動に人事工数が増加してしまう事態は避けねばならず、各社には採用生産性を向上させることが求められています。

採用生産性を向上させるために想定される各社のアプローチとしては

  • オンライン面談、面接への切り替え
  • 採用投資の削減や採用チャネルの見直し
  • 高生産性人材の確保
  • 入社者の生産性を上げる(配置転換)
  • 面接官や人事の工数を下げる(効率)
  • 離職コストを削減
  • 従業員エンゲージメント向上により営業利益率を上げる

などが考えられますが、今回は採用生産を向上させるための採用コストの考え方と施策について紹介したいと思います。

採用生産性向上に対するHRコスト戦略の考え方

採用生産性を向上させるためには、「外部施策コスト」と「内部施策コスト」を削減していくことが必要なアプローチとなります。
外部施策で示しているコストとは、既存の採用手法や費用対効果を洗い出し、採用チャネルを見直すことで採用施策としてベンダーに支払う費用のことです。内部施策におけるコストとは、退職者によって発生する手続きや、採用活動にかかるオペレーション工数を人件費で換算したものです。
本質的に採用生産性を向上させるためには、外部から生産性の高い人材を採用することや、内部組織や人材の配置転換を行うことも両立させることも重要ですが、本件に関しては「Withコロナ時代に考える 企業の生産性とエンゲージメントを高めるためのHR戦略」でご紹介しております。

採用チャネルの見直しによる施策コストの削減

戦略検討のためのコスト種別の分解

前項で紹介した外部施策コストと内部施策コストは下図のように分類できます。採用施策の実行のために投資する施策コストと、人事や面接官の人件費であるオペレーションコスト、離職者が発生することによる人事の業務工数や採用補填にかける施策、これまでに発生したオペレーションコストが無駄になる可能性がある、将来的な埋没コストの3つに分けられます。各種別に応じてコスト削減施策を展開することが、採用生産性を向上させる近道です。

リファラル採用とオペレーションコストの削減

施策コストの削減|採用チャネルの見直しと発生コスト

各採用チャネルからの応募獲得数、応募獲得率、面接遷移率、決定率、採用単価など、各種データを取得しているでしょうか。投資対効果の高いチャネルを選定して比重を高め、全体の採用コストを削減することが望ましい活動です。下図では、全体の採用経路のうち、外部サービスを介さない自社採用であるリファラル採用の比率を上げるほどコストは削減できることがわかります。
採用決定率や採用単価、人事の運用工数を比較すると外部サービスと自社採用(リファラル採用)のROIの差が大きく開きます。

各採用チャネル別のベンダーコスト・人件費(工数費)

オペレーションコストの削減|コストの考え方

人事のオペレーションコストは人事が想定している以上に発生しています。
人事が採用施策を実行する際には(企業によってフェーズや役割分担こそ違いますが)採用計画の立案から要件定義、施策検討と実行、選考活動と採用管理と分析活動を行ってPDCAを回さなければなりません。
また採用施策によっても「どの職種やポジションをエージェントにお任せするのか」「求人広告で自社の訴求を行うためにはどんな情報を提供すればいいか、現場のどんな社員に取材をしてもらおうか」「ダイレクトリクルーティングのスカウト文面はどんなものがいいか」など、採用計画の立案から入社後の成果分析に至るまで多くの業務が発生しており、人事部のリソースが少ない企業はこれを実行するだけで莫大なオペレーションコストを必要とします。かといって人事部のリソースが多い企業と比較して候補者の質を下げるわけにはいきません。

オペレーションコストの削減|リファラル採用のオペレーションコスト

リファラル採用は人事のオペレーションコストをほとんどかけずに採用できる手法です。コスト削減により、本質的な採用戦略に時間を割くことが可能となります。

たとえば10名採用する際に発生してしまうオペレーションコストを比較すると、他の採用チャネルと比較してリファラル採用は90%のコスト削減を実現できます。
リファラル採用は「入社者の定着率も高く」「応募から面接、入社決定までのパフォーマンスが高く」「育成に関わるコストも低い」ためです。少ない母集団で採用決定を創出でき、人事や現場の面接や選考に関わる工数を大幅に削減することが可能であることや、入社後に社員には相談しにくい小さな疑問や悩みなどを友人が解決してくれるので育成や相談にかける時間も少なく済んでいることが要因です。

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将来的な埋没コストを削減するための考え方

退職発生によるオペレーションコストの考え方

埋没コストは人事に限らず、現場においても想定している以上に発生しています。
退職者の発生により、人事や労務担当の事務手続きが発生することはもちろん、補填採用を行なう場合には、採用計画の練り直しから施策検討等の莫大なオペレーションコストを要します。退職者の発生した現場にもコストが発生することで、生産性が低下すると考えられます。

入社後生産性への影響と離職コストの削減

リファラル採用は入社後のメンバーの生産性を圧倒的に向上させることができます。従業員一人当たりの生産性を144%に増加できるポテンシャルがあり、リファラル採用経由の入社者が増えるほど、年間12%の離職コスト(採用補填人数×採用単価+教育コストなどの各種人件費)を削減することができます。

組織、従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関関係

従業員エンゲージメントを向上させるうえで、リファラル採用は非常に効果的な施策です。

リファラル採用に取り組むことで社員が会社の経営資源である人に関わるミッションに携わることになります。自社を友人に紹介するシーンにおいて、会社の成長やビジョンについて考えたり、今の自分の業務を棚卸ししたり、なぜ・何のためにこの企業で働こうと思ったのか考えて会社の方向性と自分のやりたいことをリンクさせたり、友人紹介の活動自体が当事者意識を向上させるきっかけとなります。
また社員が友人におすすめした魅力という自社の強みの可視化や、逆にあまり紹介促進が無かった際には何がいけないのかといった分析改善を実施することができます。

従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関性についてはこちらの記事にもより詳細をまとめておりますのでぜひご覧ください。

    • 従業員エンゲージメントを向上するために必要な取り組みとは——従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関性

https://mytalent.jp/lab/s_engagement_referral/

    • リファラル採用の導入を促進することにおける経営効果

https://mytalent.jp/lab/resource_6/

従業員エンゲージメント向上による組織生産性への影響

従業員エンゲージメントと業績の相関関係は極めて高く、MyReferのサポート企業においても、高い経営効果を実現できております。
従業員エンゲージメントの高い企業の営業利益率は、低い会社の営業利益率に比べて、1.5倍高いです。従業員エンゲージメントが高い社員の割合が1%向上すると、売上は6%アップします。

事業規模別|削減コストのシミュレーション

実際にリファラル採用に注力することでHRコストはどこまで削減することができるのでしょうか。そのシミュレーションの一例を本ページ内で公開しております。

リファラル採用は施策コストや、人事オペレーションコストを削減しながら、将来的な埋没コストをも防げる効果的なHR戦略です。With&アフターコロナ時代の今こそコスト戦略を見直し、リファラル採用を推進していきましょう。

採用生産性と従業員エンゲージメントを高めるMyReferとは

MyReferの導入メリット

MyReferでは、“会社とつながる全員がファンに”というサービスコンセプトのもと、生産性向上と従業員エンゲージメント向上の双方を実現するためのクラウド&コンサルティングサービスです。「ハイスキル人材の採用」や「リファラル採用による各種採用コストのカットを実現する」だけでなく「配置転換」や「社内公募制度」、「アルムナイマネジメント(退職者管理と出戻り採用)」をワンストップで実現して、従業員エンゲージメントを向上させるための施策を実行することが可能です。

採用コストを削減し、企業生産性向上を支援するプロダクト

・生産性確保のための高生産人材の採用
社外の知人や友人の、優秀なタレントをリストアップして、会食やイベントに招待、ハンティング活動をしてタレントプールを作っていく「MyRefer Startup」

・退職者管理や出戻り採用を実現する機能
退職社員の管理や広報活動、出戻り採用のための求人告知を可能にする「MyRefer Alumni」

・配置転換を促し、生産性向上を支援
既存社員の配置転換を行うための自己応募や他薦活動を実現する「MyRefer Internal mobility」

など、アプリ、クラウド、コンサルティングをとして貴社の経営を加速させるHR戦略の実行支援を行っております。

オンラインリファラル会食プランのリリース

外出自粛が続き、テレワークにおける社員の帰属意識の低下や人との繋がりの希薄化によって従業員エンゲージメントが低下してしまう現状に対し、社内外のコミュニケーション機会の創出を支援するプランも提供を開始しております。

ただ「オンライン上で飲み会をする」のではなく、

    • 人事へのオンライン会食(飲み会)申請
    • 経費承認
    • 友人のタレントプール化
    • 転職意向レベルやリファレンスコメントの回収

など、貴社の従業員エンゲージメント向上だけではなく、ハイスキル人材を獲得するための施策につなげられればと考えております。

我々MyReferは情報とサービス提供を通して各社様の生産性・従業員エンゲージメント向上の一助となれれば幸いです。
ぜひご一読いただき、MyReferにお問い合わせくださいませ。

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