Withコロナ時代に考える 企業の生産性とエンゲージメントを高めるHR戦略

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新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、リーマンショック以降最大の世界的不況も囁かれる状況になってきました。企業の資金需要もリーマンショック後の2009年以来の水準に高まったと日銀より発表されました。
このような状況下で企業では社員のエンゲージメントや生産性低下への対策をしつつ、自社の業績維持のために自社にマッチした質の高い採用を低コストで実施することが求められます。

今回は弊社MyReferとしても何らかの形で皆様のお役に立てればと思い、HR戦略の観点から企業の生産性とエンゲージメントを高めるためのメソッドをご紹介します。

企業の生産性とエンゲージメントを高めるHR戦略
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新型コロナウイルスの影響による採用市場のトレンド

リーマンショック時の経済と採用のマクロトレンド

■リーマンショック時の日経平均株価(左)と有効求人倍率(右)の推移

※厚生労働省:有効求人倍率(季節調節値) 総務省:完全失業率(季節調節値)

上図のリーマン期の日経平均株価の推移と有効求人倍率、完全失業率の推移を見て想定しますと、日経平均株価が2020年4月に最底辺値になった場合、2020年10月までは有効求人倍率の高騰は見込めない可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の影響で想定される各社のHR戦略

企業は採用数を縮小することが予想されますが、もちろん企業活動において業績の縮小までも認めることはできません。必然的に社員一人あたりの生産性を向上させる戦略や戦術が求められます。

想定できる各社のアプローチ方法としては

  • ポテンシャル層、未経験人材の採用を凍結・縮小すること
  • 経営を前進させるためのハイスキル人材、即戦力人材を採用すること
  • 社員生産性向上のための研修や育成の実行
  • 社員のコミットメントや帰属意識を高めるためのエンゲージメント施策

などが考えられます。

企業の生産性を向上させるためのHRの考え方

生産性を向上させるうえでは、既存社員の生産性を高めながら、高生産性人材を採用することが必要なアプローチとなります。

    外部施策=社外の人材によって企業生産性を高める施策
    内部施策=社内の人材の生産性を向上させるための取り組み

という二軸の取り組みが必要です。

■企業生産性向上に対するHRの考え方

今回本誌では、

  • 専門性の高い人材やハイクラス人材の採用
  • カルチャーマッチした人材の採用
  • 社員の組織や企業に対する帰属意識の向上
  • 生産性の高い人材の最適配置と離職防止
  • 育成研修を通した社員生産性の向上

を行い、

  • 外部から生産性の高い人材を採用する事
  • 内部の生産性の高い人材を辞めさせないこと
  • 内部の人材の生産性を高めさせること

を有効的な施策として紹介しております。

新型コロナウイルスの影響によるテレワーク推進で顕在化した課題

テレワークの実施状況

新型コロナウイルスの影響もあり、企業が出社を自粛し、全国で約4割の企業がテレワークを推奨あるいは命令しています。3月では約2割だったテレワーク率が、緊急事態宣言発令も影響し一ヶ月で倍増したようです。

■テレワーク、時差出勤の企業の方針

※パーソル総合研究所「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」

また、エリア別に見ても関東、近畿エリアを中心にすべての地域で比率は増加し、業種別には医療、介護、福祉、運輸、郵便業など医療やインフラ系を除く各業態が高水準でテレワークを推進していることがわかります。

テレワーク導入と実施における従業員への影響

テレワークを推進している企業の社員にとって孤独を感じる、コミュニケーション量が減る、生産性が下がるなど会社に対する帰属意識や生産性の低下に対する課題が顕在化してきています。

■テレワークによる従業員の不安・課題

新型コロナウイルスの影響による自粛疲れで発生するリスク

新型コロナウイルスによる自粛が拍車をかけ、社会との距離感が広がっています。

  • 社員間のコミュニケーションや交流の機会が減る
  • リフレッシュする機会が減り、ストレスが溜まる
  • 会社への帰属意識や従業員エンゲージメントが低下する
  • 仕事場所と家庭が一体化し、ワークライフバランスが崩れる(ON-OFFの切り替え)

といったことが理由で中長期的な退職リスクや生産性低下リスクが考えられています。

企業の生産性とエンゲージメントを高めるHR戦略
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生産性と従業員エンゲージメントを向上させるための、「攻め」の採用戦略とは

不景気な景況感に対して「守り」の採用活動だけでなく、ハード(制度)面での取り組み、ソフト(従業員エンゲージメント)面での取り組みの双方に目を向け「攻め」のHR戦略を考える必要性があります。

■企業の生産性と経営戦略

前述した「ハイスキル人材の採用」や「既存社員の育成や配置転換」だけでなく
離職してしまう社員に対する「退職管理」「コーポレートビジョンや理念の浸透」「当事者意識の醸成」「成長機会の提供」を通してエンゲージメントを向上させる施策に目を当てて経営を加速させていくものです。

MyRefer内の他ページには、従業員エンゲージメント向上の重要性ついて記事を用意させていただいておりますのでこちらもご覧ください。

人事におけるエンゲージメントの重要性と改善方法
https://mytalent.jp/lab/s_engagement/

生産性・従業員エンゲージメントを向上するためのHR施策と戦術

即戦力人材・ハイスキル人材の採用

転職潜在層には、優秀な候補者が眠っていることはご承知の通りかと思います。プロフェッショナルやハイスキル人材は、知人の声掛け経由で転職顕在化するケースが多いと考えられます。
例えば、学歴、役職、年収の観点からハイレイヤー層が多いLinkedin日本会員ユーザーの約8割は、積極的に転職活動をしていない転職潜在層であり、その7割の人が口コミやSNSを活用して転職活動の情報収集をしています。
また、実際にそのユーザーは、新しい仕事のチャンスに対してオープンであり、半数以上のユーザーがリクルーターから声がかかることを嬉しく思うという結果が出ています。
※Linkedin

既存社員の生産性を上げる

生産性の高い人材を会社に留まらせるためには現在の会社に対して学習や成長の機会があり、スキル向上のチャンスがあると感じさせるような「育成」や「配置転換」の場を設けることが有効です。
プロフェッショナルやハイスキルの人材が会社に留まる大きな理由の1つは、自身のスキルアップや挑戦できる環境がその会社にあるからです。
また現在のポジションで高い生産性を発揮できない社員は研修などを通じてスキルアップを目指したり、その人が最も高い生産性を発揮できるポジションへ配置転換することも一つの手です。

■プロフェッショナルが会社に留まる理由

それでも辞めてしまう社員に対するイグジットマネジメント

育成や配置転換については話題に触れたものの、企業経営、事業運営を推進するうえで、全ての従業員に挑戦する環境や部署、スキル向上のチャンスが用意できるわけではないと考えます。また、家庭の事情などやむを得ない理由で退職してしまう社員もいるでしょう。しかし「辞めてしまったらそれまで」というのは大きな機会損失につながってしまうと考えています。
社内で活躍していた退職社員は

  • リファラル採用のリクルーター(退職先の新しいコミュニティで友人紹介してくれる)
  • 他社で経験を積み自社業務を知る即戦力の出戻り採用候補
  • 営業先の顧客
  • 自社商品を広めてくれるインフルエンサー

となる可能性があり、最も活用すべき採用&営業チャネルです。
卒業(退職)後も企業のファンとなってもらえるような、企業と退職者が友好的につながり続けることのできる「アルムナイマネジメント」を行ないましょう。辞めてしまった社員が本当は辞めて欲しくなかった、ゆくゆくは戻ってきて欲しい人材であればなおさらです。

退職者を再雇用するアルムナイ(出戻り)採用についてはこちらの記事にも詳細をご紹介しておりますのでぜひご覧ください。

即戦力になる人材を確保できる!アルムナイ制度について知ろう
https://mytalent.jp/lab/s_alumni/
環境改善にもおすすめ!エグジットサーベイで退職者の本音を探ろう
https://mytalent.jp/lab/s_exit-survey/

動機付け要素に起因する従業員エンゲージメントの向上

従業員エンゲージメントには衛生要因(ハード情報)と動機付け要因(ソフト情報)があります。
衛生要因は、福利厚生や給与水準など従業員エンゲージメントを下げないための要素であり、こういった衛生要因に対する施策対応を疎かにすると従業員のエンゲージメントは下がっていきます。動機付け要因は、バリューの浸透や成長機会を与えること、当事者意識、組織への帰属意識の醸成など、従業員エンゲージメントを高めるための要素です。
つまり、高めるための戦略や戦術を考える際は動機付け要素に起因した施策を展開することが有効だと考えられます。

■従業員エンゲージメントの構成要素

従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関関係

リファラル採用は従業員エンゲージメントを向上させる動機付け要因と非常に相性がいいです。
リファラル採用に取り組むことで社員が会社の経営資源である人に関わるミッションに携わることになります。自社を友人に紹介するシーンにおいて、会社の成長やビジョンについて考えたり、今の自分の業務を棚卸ししたり、なぜ・何のためにこの企業で働こうと思ったのか考えて会社の方向性と自分のやりたいことをリンクさせたり、友人紹介の活動自体が当事者意識を向上させるきっかけとなります。
また社員が友人におすすめした魅力という自社の強みの可視化や、逆にあまり紹介促進が無かった際には何がいけないのかといった分析改善を実施することができます。

■従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関関係

従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関性についてはこちらの記事にもより詳細をまとめておりますのでぜひご覧ください。

従業員エンゲージメントを向上するために必要な取り組みとは——従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関性
https://mytalent.jp/lab/s_engagement_referral/
リファラル採用の導入を促進することにおける経営効果
https://mytalent.jp/lab/resource_6/

企業生産性を高め、従業員エンゲージメント向上を実現するMyRefer

MyReferの導入メリットMyReferでは、“会社とつながる全員がファンに”というサービスコンセプトのもと、生産性向上と従業員エンゲージメント向上の双方を実現するためのクラウド&コンサルティングサービスです。「ハイスキル人材の採用」や「リファラル採用によるコストカット」だけでなく「配置転換」や「社内公募制度」、「アルムナイマネジメント(退職者管理と出戻り採用)」をワンストップで実現して、従業員エンゲージメントを向上させるための施策を実行することが可能です。

生産性向上とエンゲージメント向上のためのプロダクト

社外の知人や友人の、優秀なタレントをリストアップして、会食やイベントに招待、ハンティング活動をしてタレントプールを作っていく「MyRefer Startup」から、既存社員の配置転換を行うための自己応募や他薦活動を実現する「MyRefer Internal mobility」退職社員の管理や広報活動、出戻り採用のための求人告知を可能にする「MyRefer Alumni」など、アプリ、クラウド、コンサルティングをとして貴社の経営を加速させるHR戦略の実行支援を行っております。

オンラインリファラル会食プランのリリース

外出自粛が続き、テレワークにおける社員の帰属意識の低下や人との繋がりの希薄化によってエンゲージメントが低下してしまう現状に対し、社内外のコミュニケーション機会の創出を支援するプランも提供を開始しております。
ただ「オンライン上で飲み会をする」のではなく、

  • 人事へのオンライン会食(飲み会)申請
  • 経費承認
  • 友人のタレントプール化
  • 転職意向レベルやリファレンスコメントの回収

など、貴社の従業員のエンゲージメント向上だけではなく、ハイスキル人材を獲得するための施策につなげられればと考えております。

我々MyReferは情報とサービス提供を通して各社様の生産性・従業員エンゲージメント向上の一助となれれば幸いです。
ぜひご一読いただき、MyReferにお問い合わせくださいませ。

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