【調査レポート】日本の人材市場における リファラル採用に関する共同研究 -紹介行動における要因と効果とは-

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 日本では労働人口の減少が進み、優秀な人材の採用に加えて、労働生産性やエンゲージメントの向上が大きな課題となっています。そのような背景のもと、従業員の信頼する人脈から優秀な人材に出会い、ミスマッチが少なく採用のできる「リファラル採用」に注目が高まっています。しかし長年、人事部が主導して採用することが当たり前となっている日本企業において、従業員に紹介してもらい優秀な人材を集めることは容易ではありません。
 一方、海外においてはリファラル採用が主要な採用手法として確立されています。リファラル採用の効果や要因についても研究がなされ、「リファラル採用で入社すると離職率が低い」「仕事への満足度が高い」といったことが検証されてきました。そのような効果のあるリファラル採用ですが、どうすれば従業員は、自分の人脈から人材を紹介する「紹介行動」をとってくれるのでしょうか。
 今回は、採用学研究所・株式会社ビジネスリサーチラボとの共同研究にて、学術研究と実践知をもとに、日本企業に対するサーベイとMyRefer社のログデータを用いて、「紹介行動の要因」と「紹介行動の効果」の2点を検討しました。

本資料の目次

  • 1-1.本レポートの趣旨
  • 1-2.研究結果サマリー
  • 2-1.リファラル採用活動の要因 分析概観
  • 2-2.「知人・友人に自社を紹介したい」と思う理由
  • 2-3.実際の「紹介行動」を促す要因
  • 2-4.「紹介した知人・友人が内定すること」に関連する要因
  • 2-5.「紹介した知人・友人が活躍すること」に関連する要因
  • 3-1.リファラル採用活動の効果
  • 3-2.候補者の質の高さ
  • 3-3.紹介者の愛着向上
  • 3-4.組織市民行動の活性化
  • 4. まとめ 日本企業は、どのようにリファラル採用活動を推進していくべきか?
  • 5. Appendix 調査方法・回答者の属性、紹介行動の傾向

本記事では、その中からいくつかのトピックを抜粋して取り上げています。
全文を無料ダウンロードすることが可能ですので、ぜひ下記のリンクよりダウンロードしてください。

2-1.リファラル採用活動の要因分析

リファラル採用活動の要因

  日本企業の社員は、どのような要因によってリファラル採用活動を行うのでしょうか。それぞれの要因について、各要因の特徴をより正確に検証できる重回帰分析を実施しました。本レポートにおいては、「リファラル採用の要因」の指標として、海外の学術研究(※)と実践知をもとに以下4つの観点から調査項目を作成し、分析しています。
(※) 2021年9月「リファラル採用に関する海外学術研究」

リファラル採用活動の要因 分析概観

 リファラル採用の要因の指標がリファラル採用活動にどのように関連しているかを概観しています。リファラル採用活動において、知人・友人に自社を紹介したいと思う「紹介意思」、実際の「紹介実施」、紹介した「友人の入社」、紹介した「友人の活躍」に分け、それぞれに関連する要因を分析しました。

2-2.「知人・友人に自社を紹介したい」と思う理由

「知人・友人のために」「会社への愛着心」が上位結果に

 はじめに、従業員の紹介意思を高める要因について、解説します。ここでの紹介意思とは、「知人・友人に自社を紹介したい」と思う気持ちを指します。

 当研究結果によると、紹介意思の理由は「求職者(友人・知人)を助けたい気持ち」、「会社への帰属意識」、「魅力的な組織イメージ」の順で強いことが分かりました。
海外の先行研究でも、同様の結果が得られており、日本でも再現されたといえます。

 また、続いて多い紹介意思の要因は、「会社への帰属意識」や「魅力的な組織イメージ」ということも研究結果で示されており、会社への愛着心を動機付けに友人・知人へリファラルを行う従業員が多いことも分かりました。
 このことから、従業員の紹介意思を高めるには、まずは会社へいいイメージと愛着をもってもらえるような環境つくりが重要です。会社のことを深く知ってもらうために、自社にしかない魅力を言語化し、社員へ発信し続けることも有効でしょう。

3-2.候補者の質の高さ

リファラル採用は応募者の質が高いといえる採用方法だといえる

 それでは、実際に、企業担当者がリファラル採用で受けた採用候補者の質はどのようなものだったのでしょうか。当レポートでは、リファラル採用で選考に進んだ候補者の質を最低1点~最高5点までに分布し、調査をいたしました。

 上記のグラフにて候補者の質を見てみると、中間にあたる3未満は全体の4%に限られることが分かりました。このことから、リファラル採用で応募した候補者は、会社にマッチした高い質を持った人材が多いことが分かります。
 これまで、リファラル採用で選考に進んだ候補者は質が高いという結果が海外の先行研究でも言及されていましたが、本調査で日本でも同様の研究結果が確認できました。

 こうした点をふまえると、リファラル採用は従業員を介して採用候補者を探す方法であるため、人柄や業務スキルなど自社の企業文化に合う人材を見つけやすい採用方法であるといえます。
 また、リファラル採用は予め自社の社員によって、採用候補者が自社へリファラルするべきかフィルタリングされたのちに紹介されるため、企業担当者にとって自社が求めるにふさわしい人材と出会える機会が増えるでしょう。

3-4.組織市民行動の活性化

リファラル採用によってどのような組織効果があるか?

 リファラル採用を実施することで、組織にはどのような効果があるのでしょうか。組織市民行動の研究を参照しながら、この点について検討します。
 「組織市民行動」とは会社のためになる自発的な役割外行動を指します。組織市民行動を行う人ほど離職しにくく、さらには、組織市民行動を行う人が多ければ会社のパフォーマンスが高まることが、これまでの多くの研究から検証されています。
 下記の表では、「友人を紹介していない」「友人を紹介した」「友人を紹介して入社した」方で、組織市民行動にどのような違いがあるのかを表しました。

 組織はあらかじめ定められた役割行動だけでは成立しません。役割外行動が求められます。組織市民行動をとる人がいれば、会社が円滑に回るようになり、全体としての成果にもつながるのです。
 そう考えると、リファラル採用は採用のためだけではなく、組織開発の観点でも取り組むべき手法と言えます。従業員体験を高めてリファラル採用を推進し、エンゲージメントの高い組織作りへとつなげていきましょう。

ぜひ本資料をダウンロードいただき、レビューの全文をご確認ください。

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