ハラスメントとは?種類や改善方法をご紹介

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目次

  • ハラスメントとは?
  • ハラスメントの種類
  • ハラスメントが起きる要因
  • ハラスメントを改善すべき理由
  • ハラスメントに対する企業の改善方法
  • まとめ

セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなど、職場で起こり得るハラスメントにはさまざまな種類があります。

本記事では、さまざまなハラスメントの紹介から、ハラスメントが起きる要因と改善するべき理由、企業の改善方法について解説します。

ハラスメントとは?


ハラスメントとは、「嫌がらせ」や「いじめ」を意味する言葉です。
その「行為を行っている人」がどう思っているかということは関係なく、「行為を受けた人」が不快に感じることがあればその行為はハラスメントとなります。

ハラスメントの種類

ハラスメントにはさまざまな種類があります。ここでは、職場でよくあるハラスメントの種類をご紹介します。

パワーハラスメント(パワハラ)

パワーハラスメント(パワハラ)とは、職場での地位や権力が優位な立場にある人が、その優位性を乱用して精神的・身体的な苦痛を与えることです。
例えば、目標を達成できなかった部下に対して、上司が過剰に侮辱する言葉を浴びせることなどがあります。近年では「逆パワハラ」と呼ばれる部下が上司や社長に対して、暴言や業務上の指示の無視、指示に対する執拗な反論なども問題視されています。

セクシュアルハラスメント(セクハラ)

セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは、性的な嫌がらせをすることです。
女性に対して男性が行うケースが多いと思われがちですが、近年では「逆セクハラ」と呼ばれる女性から男性にセクハラが行われるケースが増えています。

マタニティハラスメント(マタハラ)

マタニティハラスメント(マタハラ)とは、妊娠、出産、育児に関することで嫌がらせを行うことを広くマタハラといいます。
女性だけでなく、育児に参加している男性もマタハラの対象となり、育児を理由とした解雇や雇い止めをされるケースや、職場での精神的肉体的な嫌がらせなどが社会問題となっています。

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)とは、「男はこうあるべき、女はこうあるべき」といったように、男性や女性に対するイメージから非難したり嫌がらせしたりすることです。
「女らしさ」や「男らしさ」といった考えに固執し、その人らしい生き方を否定することが当てはまります。

マリッジハラスメント(マリハラ)

マリッジハラスメント(マリハラ)とは、結婚(マリッジ)に関する嫌がらせのことをいいます。独身者に対して結婚を無理に促したり、結婚しない理由を執拗に詮索したり、希望しない交際を迫ったりすることが当てはまります。

時短ハラスメント(ジタハラ)

時短ハラスメント(ジタハラ)とは、職場において労働時間の短縮を強要する嫌がらせのことをいいます。
具体的な対策を行わないまま従業員に労働時間の短縮を求めることなどが当てはまります。業務量が変わらないまま労働時間の短縮を強要された従業員はノルマや納期が厳しくなり精神的・身体的負担が重くなります。

アルコールハラスメント(アルハラ)

アルコールハラスメント(アルハラ)とは、アルコールに関する嫌がらせのことをいいます。
飲酒の強要や意図的な酔いつぶし、酔ったうえでの迷惑行為などが当てはまります。
コロナの影響で近年は従業員同士での飲酒機会が減少していますが、コロナ収束に合わせて飲酒機会も増えていくが考えられますので、対策を進めてみてはいかがでしょうか。

テクノロジーハラスメント(テクハラ)

テクノロジーハラスメント(テクハラ)とは、PCやスマホなどのIT機器の扱いが苦手な人に対する嫌がらせのことをいいます。
「こんなこともわからないの?」と相手を責めたり、難しい専門用語を使って指示を出したりして相手を追い詰めることなどが当てはまります。
従業員間のITリテラシーに差あることが原因で引き起こされ、比較的ITの知識が乏しい中高年層やPCや社内ツールの扱いになれていない新卒社員などがテクハラを受ける傾向にあります。

ハラスメントが起きる要因

なぜハラスメントは発生してしまうのでしょうか?

個々人の意識差と偏見

ハラスメントが問題化した場合、当事者本人に自覚がないことをよく耳にしますがなぜそのようなことが起こるのでしょうか?
これは個々人によって価値観や考え方が異なり、ハラスメントの基準が違うにも関わらずそのことを認識できておらず自分のものさしで考え行動してしまうからです。

アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み・偏見)という言葉がありますが、自分本位に「決めつけ」「押しつけ」をするのではなく、相手の考えや基準を理解し行動することが必要になるでしょう。

職場のコミュニケーション不足

コミュニケーションが不足するとお互いの感情や考え方が分からず、感覚のズレや誤解からハラスメントへとつながっていくことが考えられるでしょう。
メールやSNS、チャットツールなど対面で会話しなくてもコミュニケーションがとれる昨今において、コミュニケーション不足はどの企業でも起こりうることであり、コロナ対策や働き方改革などによるリモートワークにより、さらにコミュニケーション不足が加速しています。
企業はコミュニケーション不足を解消するために何ができるのか、考え行動することが求められています。

多様な従業員が働いている

人種や国籍、年齢、性別など、属性が異なる多種多様な従業員が多ければその分考え方や価値観が異なり、ハラスメントに発展していく可能性が高いと考えられます。

ダイバーシティ、ダイバーシティ&インクルージョンなど多様性を受け入れる考えも徐々に広がっていますが、多様な人材が働きやすい環境を整備していくことが企業に求められるでしょう。

ダイバーシティとは?重要性や企業へのメリット・デメリットを解説

ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や推進方法をご紹介

ハラスメントを改善すべき理由

法的責任を負う

職場でハラスメントが起きた場合、話が大きくなれば、被害を受けた従業員が企業を相手に訴訟を起こすことが考えられます。そして、企業には不法行為責任や債務不履行責任などの責任を負うことになります。このような事態に発展すると、企業のイメージダウンや評価の低下につながってしまいます。

従業員のモチベーション低下

ハラスメントが起きれば、被害を受けた従業員はもちろん、周囲の従業員への影響が懸念されます。仕事へのモチベーション低下やパフォーマンス、生産性が大きく下がることが考えられるでしょう。

離職率のアップ

ハラスメントの発生による職場の人間関係悪化から、離職率が高くなることが考えられます。人材不足が進む中、貴重な従業員を失うことは企業にとって大きな損失となるでしょう。

ハラスメントに対する企業の改善方法

企業はハラスメントを事前に防ぎ、万が一ハラスメントが起きた場合にはどのように対処していけばいいでしょうか?

ハラスメントに関する規定を作る

ハラスメントを行う側は、嫌がらせという意識はなく行っているケースが多くあります。まずは従業員に対して、どのような行為がハラスメントになるのか周知を行い、さらにハラスメント行為が行われた場合、企業はどのような対処を行うか、行為者にはどのような処分が行われるか規定し従業員へ周知・浸透を図りましょう。

ハラスメントの研修を行う

社外の専門家などを招いて、ハラスメントに関する研修やセミナーを行うことも一つの方法です。このような研修を定期的に行うことで、従業員にはハラスメントに対する危機意識が生まれ、ハラスメント発生の予防につながると期待できます。

相談窓口を設立する

相談窓口を設立することで、従業員がハラスメントを受けた場合に対応ができるように準備をしましょう。プライバシーに配慮し、対面のほか、文書やメールなどで相談できる体制を整えるといいでしょう。
ハラスメントを無くすことは事実上不可能に近いので、できるだけ早い段階でハラスメントに対応できるよう環境を整備していきましょう。

まとめ

職場でのハラスメントを完全になくすことは難しいかもしれません。しかし、ハラスメントが起きないように企業側で予防に関する取り組みを行うことはできます。またハラスメントが起きてしまった場合に、すぐに適切な対処を行えるように、社内体制を整えることで、企業と従業員を守ることにつながるでしょう。