従業員エンゲージメントを向上するために必要な取り組みとは——従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関性

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労働人口の減少、働き方の多様化、生産性向上…これらの背景から今、注目を浴びているのは「従業員エンゲージメント」です。これからの企業成長にとって欠かせない概念ですが、実際にどのような要素があり、どうやって向上させていくか分からない企業も多いのではないでしょうか?今回は、従業員エンゲージメントを向上するための取組みについてご紹介します。

目次

  1. 従業員エンゲージメントとは
  2. 従業員エンゲージメントを構成する二つの要因
  3. 従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関性
  4. リファラル採用を活用して従業員エンゲージメントの向上に成功した事例
  5. リファラル採用を活用して従業員エンゲージメントを向上させるのに必要な取り組み

従業員エンゲージメントとは

まずは従業員エンゲージメントの定義についておさらいしましょう。

もともとマーケティングの分野では「エンゲージメント」という言葉がよく用いられてきました。エンゲージメントとは、「企業や自社ブランドに対する消費者の深い関係性」です。単に認知してもらうだけでなく、愛着や共感をもってもらうことを指します。

それから、アメリカでは“Recruiting is Marketing”ということが言われてきて、人事の分野にもマーケティングの概念が用いられるようになりました。その一つが従業員エンゲージメントです。

人事の分野における従業員エンゲージメントとは従業員の企業に対する愛着心と解釈されます。さらに深い意味では「企業と従業員が信頼し合い、互いに貢献し合う概念」のことを指します。

従業員エンゲージメントが人事部門に浸透してきた背景

従業員エンゲージメントは、どのように人事部門に浸透してきたのでしょうか?背景には、労働人口の減少や経済の成熟化により経営の不確実性が増したことが大きく関係しています。

かつて高度経済成長期には、企業は従業員に対して終身雇用や年功序列の昇進を約束することで、労働人口を確保して成長を続けてきました。このときは、企業と従業員が主従関係にあり、「ロイヤルティ」を高めることが重要とされてきました。

しかし、労働人口が減少し経済が成熟化してきた今、経営に求められているのは働き方の多様化やダイバーシティを受け入れながら、一人ひとりの生産性を上げて新しいイノベーションを生み出していくことです。

「企業と従業員の新たな関係性」を構築し「従業員エンゲージメント」という概念が重視されるようになったのです。

従業員エンゲージメントの重要性

過去の労働環境を思い返してみると分かる通り、かつては従業員がサービス残業で会社に尽くしたり、逆に会社が従業員に高い報酬を払って優秀な人材を確保したりと、一方的な関係性が目立ちました。その点、従業員エンゲージメントを向上させるという試みは、従業員と企業の関係が対等になり、お互いが同じ方向に向かって成長していくためのものです。

従業員エンゲージメントの概念では、単に従業員の「満足度」を上げるだけでなく、「愛着心」に注目するため業績に繋がると言われています。居心地のよさだけではなく、自発的に企業に貢献したい思いをもってもらうことが成長につながるからです。さらに、愛着心を持った従業員が増えれば、企業は優秀な人材の離職を防ぐことができ、組織力を強化できるのです。

日本は従業員エンゲージメントが低い?

米国のギャラップ社が全世界1,300万人のビジネスパーソンに実施した調査によると、日本人のエンゲージメント指数は調査した139か国中132位と最下位レベルでした。かつての働き方や企業と個人の在り方に変革が求められています。どのようにエンゲージメントを向上していくかをご紹介します。

従業員エンゲージメントを構成する二つの要因

従業員エンゲージメントはアメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグが提唱した二要因理論の「動機付け要因」と「衛生要因」から構成されます。
この二つを分解すると以下になります。

「動機付け要因」:従業員エンゲージメントを”高める”要因

  • ビジョン、理念浸透
  • 成長機会
  • 当事者意識

「衛星要因」:従業員エンゲージメントを”下げない”要因

  • 福利厚生
  • 環境
  • 組織風土(人間関係)
  • 給与水準

この二つは大きく違い、ハード面である衛星要因は従業員エンゲージメントを下げない要因なので、適切に保つことが重要です。ただし、こちらだけにいくら注力しても従業員エンゲージメントは向上しません。

反対にソフト面である動機付け要因は従業員エンゲージメントを向上させます。重要なのはハード面ではなく、ソフト面である動機付け要因を充実させることです。

従業員エンゲージメントとリファラル採用の相関性

では、どのように動機付け要因を充実させていけばよいのでしょうか?
従業員エンゲージメントを向上させるうえで、実は「リファラル採用に取り組むこと」が非常に効果的です。その理由をご説明します。

リファラル採用に取り組むことでビジョン浸透・当事者意識醸成につながる

全社員採用を実施することは、社員が会社の経営資源である”人”に関わるミッションに携わることになります。自社を友人に紹介するシーンにおいて、会社の成長やビジョンについて考えたり、今の自分の業務を棚卸ししたり、なぜ・何のためにこの企業で働こうと思ったのか考えて会社の方向性と自分のやりたいことをリンクさせたり、友人紹介の活動自体が当事者意識を向上させるきっかけになるのです。

リファラル採用を活用して従業員エンゲージメントの向上に成功した事例

実際に、リファラル採用に取り組みエンゲージメントを向上した事例をご紹介いたします。

株式会社MTG

「採用は仲間づくりであり、仲間集めは全社員で取り組むもの」という風土をベースに従業員エンゲージメントを実現している取りみをご紹介します。

リファラル採用で実現する”組織と個人のエンゲージメント向上”業界を革新するブランド開発カンパニーMTGの取り組み

滋慶学園グループ

「チーム制により内定者の自主的な紹介とエンゲージメント向上に成功した滋慶学園グループの新卒リファラル採用」をご紹介します。

学生が自分のストーリーで自社を語る、内定者エンゲージメントとリファラル採用/滋慶学園グループ

リファラル採用を活用して従業員エンゲージメントを向上させるのに必要な取り組み

上述のようなエンゲージメントの向上を成功するために必要な取り組みについて解説します。

継続的な認知を促す

まずは、リファラル採用に取り組む背景と理由をしっかり伝えることが重要です。経営目線から意義を落とすことで、採用に携わる意義や当事者意識をもってもらうことができます。

リファラル採用を実施するにあたり、自社の募集求人を展開するだけではその認知は浸透しません。
一度や二度の周知ではリファラル採用の存在はすぐに社員から忘れられてしまうからです。
情報の角度を変えて、社員を定期的にリテンションし続けることが重要です。求人を公開したことを周知したら、どんな社員が紹介活動に協力的なのかを周知・称賛したり、採用が決定すれば入社者の紹介ニュースを流し紹介者に感謝を伝えたりと、継続的にリファラル採用に関するニュース情報を周知し続けることで、社員の中にリファラル採用が根付いていきます。

社員が会社に共感や愛着を持ってくれるようなコミュニケーションを実施する

共感を生むために最も重要なことは次の3つのことを踏まえたコミュニケーションプランの設計です。

①インセンティブではなく、ストーリーで語る
「紹介したら○○万円支給します」といった単純なコミュニケーションでは効果がありません。
インセンティブは、あくまでリファラル採用に取り組んでくれた社員に対して称賛することやお礼をするためのコミュニケーションのきっかけとしてとらえましょう。
なぜ会社がリファラル採用に取り組むのかという理由・意義をストーリーとして伝えることで社員が友人におすすめしたくなる意向が高まります。

②透明性の高い情報を発信する
リファラル採用に限らず採用に関わるあらゆる情報を、透明性を持って流通させることで、従業員の当事者意識を醸成します。
たとえば、採用戦略やその計画と進捗、自社の魅力や決定者・入社者の情報等々、社員に伝えていくことで社員が採用活動そのものに理解を深めて、自分事化しやすくします。

③上位役職者からリファラル採用に取り組む意義を訴求する
リファラル採用の成果が出ている企業の60%はマネジメント層が協力的だというデータがあります。さらに42%は社長や取締役などの経営層が協力的という結果(※)がでています。

※2019年10月MyRefer調べ N=50

社員が気軽に参加できる仕組みを構築する

リファラル採用の推進のためには社員に負担がかからないような仕組みが必要です。
情報が散乱していて集約されていない場合、その確認が手間になってしまってその後の紹介につながりません。いかにして紹介のハードルを下げるかが重要です。
たとえば、通常の選考ではなくカジュアル面談を実施する、声をかける対象を直近で転職活動中の方限定ではなく転職潜在層も含めて可能にするなどの方法があります。気軽なイベントなどのコンテンツを用意することも有効です。
友人に紹介をしやすいコンテンツを用意することによって、本来なら出会えなかった優秀な人材や転職はしていないものの長期的に企業がつながっておきたい人材と出会えるチャンスが生まれます。

社員の活動を計測する

誰がどのように動いているのか確認できないと全社員を効果的な巻き込みができません。
社員の行動が可視化できるような仕組みを整えましょう。

従業員エンゲージメントを向上するために必要な取り組みまとめ

従業員の「満足度」をあげるだけでは、従業員エンゲージメントは向上しません。従業員エンゲージメントを向上するためにはビジョンや理念を浸透させ当事者意識をもたせることや成長機会を提供することが必要です。
今回はリファラル採用を活用して従業員エンゲージメントを向上した事例をご紹介しました。もっと詳しく聞いてみたいことやご不明点ありましたらぜひ一度お気軽にお問い合わせください。